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あれから10年

フィレンツェの路地でたまたま見かけた大きな鞄を肩から掛けた日本人。
その鞄を掛けた後ろ姿がとても印象的だった。

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その鞄の彼と出会ったのは語学学校のサロンスペース。
記憶に残っていた鞄はその彼が作ったもので革の鞄の勉強のために留学をしてきたという。

宮城県出身の平間博之さん(ヒロ君)。
まだフィレンツェに来て数ヶ月でしたが自分も革の作業をいろいろとやっていた事もあり意気投合。
情報交換やいろいろな話をするようになりました。

3月10日の夜、ヒロ君と一緒に夕飯を自分の家で食べながらお互いの将来の事や財布を頼んでみようかといった話をして楽しい時間を過ごした。

そして次の朝、、、目が覚めてPCを開いて見ると日本がとんでもないことになっていた。
まずはとにかく東京の家族の安否確認をしてみると無事に連絡が取れて大きな被害はなかったとの事で一安心。
次に思い浮かんだのが昨晩出身地の話なども聞いていたヒロ君のこと。

当時通っていた椅子張り工房に行きつつ、そのすぐ近くに下宿していた彼の所へ。

とにかくインターネットで様々な情報を探る中、ご家族の無事は確認出来たものの海沿いの彼の町はかなりの被害が出ている様子。
只々、画面を通してその様変わりした姿を見ることしか出来なかった。

フィレンツェ在住の日本人もみんな混乱状態で語学学校に集まって情報を共有したりSNS上で確認しあったり。

何かをしなければいけない、というのは分かっているのだけれど
何をすればいいのか?何が出来るのか?
全くわからない状態で時間だけが過ぎていく。

ただ、自分にとってはヒロ君と知り合った事が何かの縁なのだと感じて
まずは彼だけでも後悔の無い、いい状態で帰国をしてもらいたかった。

そこで彼と相談をして今出来る事として革のブレスレットを制作してみることにした。

目的は、、、
モノづくりをする人間にとって何かを作っている時はそれに夢中になれるのでインターネットで被害の様子を見ることしか出来ない自分たちと彼の気持ちを紛らわせる事。

少しでも現金を持って帰ってもらう事。

そして、ブレスレットを買っていただくためにいろいろな職人工房を回ることで彼にフィレンツェの様々な職人さんとの接点を出来る限り多く持ってもらいたかった。

結果的にブレスレットはたくさんの方の手助けで大きな反響となった。。。

あれから10年。

フィレンツェ・宮城それぞれの場所でお互いにアトリエを構えて仕事を続けている。

そんな、それぞれの10年をインスタライブで振り返りながら話をしてみようと思う。

3月11日(木)日本時間21:00〜

お時間合いましたらぜひ見に来て下さいね!!

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