教員を退職して半年たちました。
教員から転職して、半年がたとうとしています。
私は公立中学校社会科教員として、6年間学校現場で働きました。1年間副担任、5年間担任、最後は中学校3年生の担任をして、生徒と一緒に学校を卒業しています。大変なこともたくさんありましたが、生徒と楽しく過ごすことができ、学びばかりで、教員になったことは全く後悔していません。
今年の4月からは、地域に入り、まちづくりNPOで働いています。教員を退職して実際のところどうなのか、私なりに書いていけたらと思います。
一言でいえば、「転職して本当によかった」この言葉につきます。
なぜ教員を退職したのか
教育学部卒業ではない私は、昔から教員を志していたわけではありません。大学では人文学部で昔から大好きだった社会科を学びました。社会科をこれからも学び続けたいと思ったことと同時に世界のさまざまな学校に訪問する中で、教育の大切さを実感したので、ファーストキャリアとして教員を選びました。また、学生時代、集団生活中心の学校が苦手だったこともあり、学校が苦手な子たちにも寄り添りそっていきたいと思ったことも理由の一つです。
働く中で、生徒と学べる喜びや社会科の授業の楽しさを実感したり、不登校の子とたくさん関わることができるなどと充実していましたが、たくさんの違和感も感じました。
なんでこんな自己犠牲的な働き方なの?なんでこんなに学校は閉鎖的なの?なんでみんなが同じになることを求めるの?なんでこんなにルールで縛るの?学校にくることが正しいことなの?・・・。
いろいろな疑問を感じました。
初めから教員を一生続ける仕事と決めていたわけではないのですが、続けられる仕事ではないなと思いました。
また、学校がいろんな人と連携して、こどもたちにとって安心できる居場所になってほしいし、学校以外でも多様な居場所が地域にあり、みんなでこどもを見守ることができるあたたかい地域づくりに興味がわくようになりました。
学校の外から、学校を見てみたいと思うようになりました。
また、社会科を授業する私が、学校以外の社会のことを知らないままでいいのか、学校を飛び出してみたいと思うようになりました。
そんな違和感、もやもやを1年目から抱えながら、教員をつづけ、地道に転職活動をしたり、インターンをしたり、学校外の活動に参加しながら、本当にやりたいことは何かを模索しました。
入学から卒業まで3年間一緒に過ごしたこどもたちが卒業するタイミングで、私も卒業しよう、新たなスタートを切ろう!と決意し、教員を退職しました。
昨年度書いた記事にも自分の想いを書いているので良ければお読みください。
現在の状況(お仕事編)
学校で働いているときに「学校が地域とつながるにはどうしたらいいのだろう?」と考え続けていました。学校はどうしても閉鎖的で、学校の中で完結しようとしがちであり、窮屈さを感じていました。
学校が地域に開いて、多様な大人と関わって学んだり、地域の中で学校と一緒になって子どもを見守ったり、支え合ったり、福祉と連携して必要な支援を提供したりと、地域とうまく連携できたらいいのにと思っていました。
だからこそ、「まずは地域を知りたい!」という強い思いから、地域づくりを学ぶことができるNPOでお仕事をしています。
どのように転職したかというと、昨年度、教員をしながら、現在勤務しているNPOでインターンをしていました。その繋がりから働いています。
まちづくりNPOでのお仕事の内容は多岐にわたります。地域の中だけではなく、流域地域でのつながり、地域と世界の結びつきを大切にしながら活動しています。
具体的には、講座の運営、地産地消フェアトレード商品の販売、地域の居場所づくり、古民家再生事業、イベントの企画・実施、フィールドワーク受け入れ、小学校から大人の多世代にわたる研修受け入れ、環境学習、マルシェの開催、地域での学び場づくり、地域の学校との連携、地域調査などなど・・・。毎日事務所の中にいるのではなく、いろんな場所に行き、いろんな人と出会い、日々違うことをしているので、とても刺激的です。
お仕事をする中で、教員としてこれまでやってきたことが生かされているように思います。教員の仕事は、本当に多様な力が必要とされているんだなと改めて思い、ファーストキャリアに選んでよかったと思っています。
企画力、運営力、対話力、コーディネート力、ファシリテート力、プレゼン力、マネジメント力などが今の仕事に繋がっているように感じます。
一方で、教員を続けていたらできなかった経験をたくさんさせていただいています。
教員時代は、お金のことを正直全く考えていませんでしたが、何かを実施する、人が動くということはそれだけお金がかかると知りました。
資金源をどうするのか、何にどのように使うのか、適正な価格とはどれくらいなのかなどを考えるようになりました。会計の勉強をしなければ!と思い簿記を勉強中です。企画・運営だけではなく、会計の仕事や資金調達のお仕事もしています。
また、地域にはこんなにも多様な方がいらっしゃるのだということも知りました。社会科の授業を6年してきて、言葉では知っていても、本当の意味で分かっていなかったと反省しています。農家さんの大変さ、ありがたさ、行政の方はどのような仕事をされているのか、どのように連携するのか、山仕事の重要さ、企業の方・・・いろんな方と連携して、教えていただきながら日々活動しています。体験しながら、お話を聞きながら、協働しながら、学ばせていただいています。社会のことをあまり知らなかったなあと、日々実感します。
副業として、教育NPOで、オンラインで中高生と面談するお仕事もしています。週に一度、不登校、生活状況が厳しい、発達障害の子など多様な子たちと継続的に関わっています。教育、福祉にかかわることもしていきたかったですし、教員としてやってきたことがダイレクトにいきるお仕事でとても充実しています。やはり、中高生の子たちとお話すると、自然と笑顔になれたり、エネルギーをもらったりできて、このお仕事も私にとって必要だったなと思います。研修やミーティングを通して、一緒に子どものことを大事に考えることができたり、臨床心理士さんに相談できたりする機会もあり、学びばかりです。
お仕事として充実していますが、教員という安定した職業のありがたさを感じています。給料は大幅に下がりました。ボーナスはなく、時給で働いています。労災、厚生年金、社会保険、交通費などは職場ではらってもらっていますが、教員ほど保障があるわけではありません。お金の勉強をして、教員時代より生活費を下げたり、将来に向けて貯金や投資もしながら、生活はできていますが、公務員との違いには日々驚きます。
ただ、常に変化を求めている私は、同じ仕事を継続してやっていきたいわけではないので、毎年のようにやりたいことを考えながら、働いていきたいと思っています。私としては、給料が高ければ高いほどよいというより、これくらいの金額であれば生活ができると自分の中でわかってきたので、ある程度の収入をもとに、やりたいことを求めて、今後もお仕事をしていきます。
現在の状況(プライベート編)
プライベートは、教員時代より充実し、日々ゆとりをもって過ごせています。仕事が9時半〜17時半で1時間昼休み、フレックスで自由に自分のペースで働くことができます。火〜土の週5日ですが、週1回は在宅ワーク。心と体の健康を保ちながら、無理のない範囲で、ゆとりのある生活ができていてとても満足しています。
教員時代は、朝6時に起きて、6時半に出発して、1時間通勤の中で授業のことを考えたり予習して、7時半~20時すぎまで働いて、土日は部活で、というように自分の時間を削って働いていました。授業をよりよくしたい、学びたい、子どもたちと丁寧に関わりたいという想いで、6年間やってこれました。その当時は当たり前でしたが、今思うと無理していたなと感じます。
時間があるからこそ、休日に夫や友人とごはんや旅行に行ったり、(教員時代は時間のある夏休みだけでした)平日の夕方からの時間に図書館やカフェにいって読書や勉強をしたり、ごはんにいったり、副業をしたり、ごはんをゆっくり作ったり、散歩やヨガをしたり、美容院にいったり、いろんなことができます。
また、フリースクールでボランティアをしたり、さまざまな活動をしている団体にいったり、会いたい学びたい人に会いに行ったりとやりたいこともうまく時間を調整してできています。
朝の時間があることも幸せです。出勤まで1時間以上家での時間があるので、ヨガや散歩、家事、勉強、読書などの時間があります。朝活をして、ゆっくりと通勤して、仕事に向かいます。去年までは朝が嫌で嫌で仕方がなかったけれど、今は自然に起きることができ、幸せな朝時間を過ごせています。(日曜日の憂鬱さもつらかったです笑)
今後の生き方
今のところ、あと2,3年はまちづくりNPOで地域づくりを学びながら、心理学や福祉のお仕事や学びを両立したいと思っています。
そのために、今年度の学びの目標が以下のツイートです。
公認心理師を7月に受験し、無事合格しました。心理学系の大学や大学院を出ていないので、カウンセリングを受けたり研修に参加したり、検定を受けたりしながら学び続けていきたいですし、来年度からは通信大学に通い、社会福祉士取得を目標にしています。(いつか心理学の大学院にいきたいと思っています)
会計や人事、社会教育の勉強も同時にしていきます。
2つの手作りの図は、私がやりたいこと、目指す自分について図式化したものです。私は、教員時代から変わらず、「誰もが自分らしくいられる社会にしていきたい」と考え、学んだり行動したりしてきました。一人一人が自分らしく生きられるように、一人一人をいろんな視点から見て、温かく関わり伴走できる人で在りたい、自分らしくいられる環境、社会づくりをしていきたいと思っています。学級経営においても大事にしてきたことです。
だからこそ、人の心のケアに関わる心理学、福祉を学んだり、地域として包括的に、一人一人が生きやすくなるようにしていきたいという想いで地域づくり、地域みんなで学び合いたいからこそ社会教育などに関心があります。
学校に関わる、学校の先生たちと連携するスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、地域活動支援員?もやりたいです。教員をやめましたが、学校や先生たちの働き方がよりよくなってほしいし、子供たちが安心できる場になってほしいので、学校と何かの形で関わりたいです。
心と体が健康で、一人一人が生きやすく、一人一人のやりたいが実現できるように、自分らしくいきられるように、そんなお手伝いをしたいし、なにより私自身が自分らしく生きていきたいです。
心と体の健康づくり(カウンセリング、心のケアの仕方、ヨガなど)やほっとできる居場所づくり、学び合える場づくり、繋がりづくりなどができるように。そして、40歳までにフリーランスとして活躍できるようになれたらなあとなんとなく思っています。
現在28歳。女性であり、今後子育てや夫の転勤があるかもしれません。ライフステージが変化しても、私らしい人生が歩めるように、日々学び続けていきたいです。
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