雑司が谷散人の街道遊歩 0905
中山道 10日目-20 2019.8.9
中山道旧道右手に美しい本卯建を見せる商家は、「釜鳴屋」竹内家住宅。
江戸初期から昭和初期まで続いた酒造業で、町家としては長野県最古のもの
という。
妻壁を一段高く突き出させて小屋根を付けた本卯建が、街道からもよく見える。
釜鳴屋の向かい側には、小林家住宅。
長久保宿の問屋で、建物は明治3年の火災で焼失後に建て直されたもの。
2階部分の出格子が美しい。
竪町から横町への曲がり角に、旅館「濱田屋」。
明治期から今も営業を続ける旅館。
濱田屋前で中山道旧道は左へ折れ、竪町から横町へ入るが、逆に右へ折れるのが上田道。
上田から善光寺へ通じた。
右へ曲がる角に「左ぜんこうじ」と刻まれた道標と、長久保新町道路元標が残る。
長久保宿から北へ、丸子を経て北国街道上田宿へ通じた上田道。
かつては上田からの国鉄バスが、長久保を通って和田峠を越え、下諏訪までをつないだが、今は上田からのバスが日に数本、長久保で折り返していく。
長久保宿横町に入る中山道旧道。
横町にも古い旅籠跡のような建物がいくつか残る。
中山道旧道左手に、「辰野屋」こと竹重家住宅。
江戸末期の旅籠で、大きな間口の堂々たる造りを見せる。
2階部分が張り出した出梁造り。
中山道旧道正面に山肌が近づくと、長久保宿もそろそろ終わり。
旧道は横町バス停の先で小さな路地を右へ折れ、鉤形に曲がって国道142号へ合流していく。
この後、火の見櫓のあった上田道との分岐点まで戻り、中山道の旅10日目を終了。
JRバスで上田へ向かい、この日の宿をとる。
引き続き、明日は和田宿へ向かう。