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雑司が谷散人の街道遊歩 0115

東海道 12日目-06 2017.4.25

やがて見えてくる宇津ノ谷の集落。
日本には古くから峠信仰があり、何らかの境界を越える特別な場所が峠。
「うつ」を「うつろな」「空虚な」の意とすると、峠を背にした谷間の神秘的な集落が宇津ノ谷、ということになるが、その雰囲気を残す美しい街並み。

宇津ノ谷

宇津ノ谷の集落は静岡市の都市景観条例により、旧街道の面影を残す町並み保存の取り組みが行われている。
石畳風の道や石垣、建物の外観など、傾斜地ならではの街の見せ方にも工夫があるように思える。

車屋

車屋、伊勢屋、丸子屋、十一屋など、宇津ノ谷の集落には様々な屋号が残り、今も住民同士は屋号で呼び合うとか。

宇津ノ谷

宇津ノ谷集落の中程左側に、松屋の屋号の家。
つし造りと呼ばれる建物で、屋根裏に部屋を設けたもの。
本格的な二階建てが一般には許されなかった江戸期の工夫。

松屋

駿河なる 宇つの山辺の うつつにも 夢にも人に 逢はぬなりけり
『伊勢物語』の一節で、詠んだのは在原業平。
蔦の茂る山道で出会った知人に、都の女への歌を託したのだとか。

宇津ノ谷

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