雑司が谷散人の街道遊歩 0897
中山道 10日目-12 2019.8.9
中山道旧道は茂田井の集落へ。
ここは望月宿と芦田宿の間の宿で、両宿が小規模だったこともあり、大人数の通行などの際は、茂田井が加宿として使われたという。
茂田井の地名は、古くは「甕」の字でモタイと読み、鎌倉室町期の豪族、甕氏の出身地だったことに因むという。
中山道旧道右手に、茂田井に2つある蔵元のひとつ、武重本家酒造。
屋号は「叶屋」で、明治期の酒造施設と慶応元年築の住宅が、今も使われている。
歌人、若山牧水には望月宿に歌友が多かったようで、茂田井にも長く逗留していたという。
酒豪で知られた牧水の歌碑が、武重本家酒造に残されている。
鉄道駅からは遥か遠く、国道からも外れた茂田井の集落には、間の宿として賑わった頃の風情が、色濃く残る。