雑司が谷散人の街道遊歩 0935
六本松通り大山道 04 2019.9.16
飯泉橋で酒匂川を渡る。
かつては橋の少し上流に飯泉の渡しがあり、井細田と飯泉を結んでいた。
河口に近い東海道の酒匂川の渡しが徒歩渡しのみだったこともあり、船で渡した飯泉の渡しへ迂回する旅人も多かったようだ。
酒匂川左岸の大山道旧道は、勝福寺の仁王門前へ。
古くから飯泉観音として信仰を集めた、坂東三十三観音の第5番札所。
仁王門は宝暦8年造営のもの。
勝福寺門前の道は、東海道親木橋からの観音巡礼道で、飯泉の渡しを経由する東海道の迂回路としても使われた道。
勝福寺本尊の十一面観音は、奈良期に僧道鏡が孝謙上皇から賜ったものと伝えられ、寺はこれを安置するために旧千代村に建てられた堂宇が起源で、天長7年に飯泉に移されたという。
勝福寺の寺号は室町期から。
勝福寺門前から東へ伸びる飯泉観音巡礼道。
この先の飯泉交差点手前までは、大山道もこの道筋を辿る。