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雑司が谷散人の街道遊歩 0964
伊勢街道 2日目-10 2019.10.6
塔世橋を渡ると、伊勢街道の道筋は津城下へと入る。
万町交差点の先で国道23号左手に分かれる伊勢街道旧道は、北町津、東町津を抜け、津観音仁王門前へ。
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津観音は東京の浅草観音、名古屋の大須観音と並ぶ日本三大観音のひとつで、伊勢街道周辺は門前の繁華街として賑わってきた。
伊勢参りの途中に立ち寄れる立地ということも、参拝者の多い理由だろう。
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津観音の創建は奈良時代初期で、阿漕ヶ浦の漁師の網に聖観音像がかかり、これを本尊としたことに始まるという。
津城の鬼門にあり、藩主藤堂家からも保護され、慶長5年の堂宇焼失後も再建が進められた。
明治以降も津の中心として発展したが、戦災で焼失。
今の本堂は昭和43年に再建のもの。
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津観音仁王門前の十字路に、道標が残る。
参宮道と国府阿弥陀を示すもので、国府阿弥陀は津観音の本尊とともに信仰を集めた秘仏。
江戸での出開帳も行われたことから、広く知られていた。
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津観音仁王門を背に、伊勢街道旧道は大門商店街を南へ。
この商店街は近年までアーケードがあったようだが、今は無い。
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