雑司が谷散人の街道遊歩 0139
矢倉沢往還 6日目-04 2017.5.21
籠場橋を渡ると、矢倉沢往還旧道は松田惣領宿へ。
その入口となる川音川の土手沿いに、一列に並べられた石仏群。
この辺りにあったものを集めたと思われる。
松田惣領宿に入る矢倉沢往還。
松田町では今も松田惣領、松田庶子の地名が残るが、松田氏の祖となる波多野有常の家督を継いだ惣領の領分と、そうでない庶子の領分との違い。
矢倉沢往還旧道を挟んで、右にJR御殿場線の松田駅、左に小田急線新松田駅。
松田駅は明治22年開業。
当時の御殿場線は東海道本線であり、矢倉沢往還の宿場町として賑わった松田には開業当初から駅が設置された。
新松田駅前から住宅街へと入っていく矢倉沢往還旧道は、やがて酒匂川の土手にぶつかる。
かつては対岸に向け、十文字の渡しがあった場所。
渡し賃10文からの名という。
十文字橋で酒匂川を渡ると、矢倉沢往還は開成町へ。
町名は明治15年開校の開成学校に因む。
開成とは、中国の古い言葉で「開物成務」、すなわち万物を開発してあらゆる事業を完成させるの意。