続き
実行列の標準形
$${F}$$を一般の線形変換, $${A,\alpha}$$を前回と同じものとし, $${\bm{\tilde{W}}(\alpha)}$$を$${m}$$次元広義固有空間, $${\{w_1,\cdots,w_m\}}$$をその基底とする.そのとき, $${\{w_1,\cdots,w_m\}}$$に関する$${F}$$の複素拡大$${F_c}$$の$${\bm{\tilde{W}}(\alpha)\oplus\bm{\tilde{W}}(\overline\alpha)}$$への縮小の表現行列は不変系$${(q_1,\cdots,q_r)(q_1\ge\cdots\ge{q_r}, q_1+\cdots+q_r=m)}$$によって
$${\begin{pmatrix*}[r]J(\alpha;q_i)\\ &J(\overline\alpha;q_i)\end{pmatrix*}}$$
(ただし$${J(\alpha;q_i)}$$はジョルダンブロック)となるようにできる.
そして, $${\bm{U}=\lang{w_1,\cdots,w_q}\rang}$$($${q}$$は不変系のひとつ, $${\bm{\overline{U}}}$$も同様), $${w_k=u_k-iv_k}$$となるよう$${u_k,v_k}$$をとると, $${\{u_1,v_1,\cdots,u_q,v_q\}}$$は実ベクトルで, $${\bm{U}\oplus\bm{\overline{U}}}$$の基底となる. $${\bm{U}\oplus\bm{\overline{U}}=U_c}$$となるような実ベクトル空間$${U}$$をとると, $${F}$$の$${U}$$への縮小を$${\{u_1,v_1,\cdots,u_q,v_q\}}$$について表現する行列は
$${\begin{pmatrix*}[r]a&-b&1\\b&a& &1\\ & &a&-b&1\\ & &b&a& &1\\ & & & & & &\ddots\\ & & & & & &\ddots&1\\ & & & & & &\ddots& &1\\ & & & & & &\ddots&a&-b\\ & & & & & & &b&a\end{pmatrix*}}$$
となる. これが言わば実行列の"ジョルダン標準形"である.
ちょっとした解説はまた後日
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