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ウェブ制作がクリエイティブからロジックに移りつつある。

最近、おもしろコンテンツ制作の大御所
LIGさんのウェブサイトがリニューアルされた。

オウンドメディアのようなコンテンツベースのウェブサイトから
DXを中心とした課題解決型のコンセプトに一気に舵を切ったようなイメージだ。

思えば、僕の回りの制作会社のパワーバランスもこの10年で大きく変わった。

10年前はまだFLASHやJQeryをつかったインタラクティブな表現が主流で
「誰も見たことがないかっこいい表現やビジュアル」が評価され
クライアントの求めるものとも合致していた。

僕ら制作者もそんなウェブデザインやプログラミングができるスタークリエイターに憧れ背中を追いかけた。

しかし、時代はゆっくりと確実に変わっていく。

一番大きな変化は「スマートフォン」の誕生だ。

今まで僕らの表現のメインステージは大きなPCという舞台だった。
そこでは大きく、自由に表現することができた。

でも、今は違う。
スマートフォンという10インチに満たない画面がメインストリームに変わってしまったのだ。

この変化はweb制作に大きな変容をもたらした。
ウェブサイトに訪れるユーザーの7割がスマートフォンという現状。
デバイス多様化による制作費の上昇。
アクセス解析に一般化によるデザインやクリエイティブの価値の可視化。

これらの要素により、いまウェブサイト制作に求められるものは
ユニークなクリエイティブではなく、ロジカルな構成へ変わりつつある。

その、最前線を走っているのがBeigeさんだろう
https://baigie.me/

Beigeさんがフューチャーされるようになり
多くの会社がウェブリニューアルの際、
軸をクリエイティブからコンサルティングにシフトした。


これからウェブ制作はコモディティ化の波を避けられないと予測されており、それなりにきれいなウェブサイトを作るだけなら誰でもできてしまう世の中が訪れる可能性が高い。

そんな中、生き延びる方向性を「設計」「調査」「戦略」「構成」といったロジカルな部分に求めるのは自然な流れなのかもしれない。

しかし、ふと考える。
ウェブサイトを構築する一番重要な要素は
「コンテンツ」であり
それを考える「企画」の需要はどんなにデバイスが変わろうと普遍的な部分なんじゃないかと。

熊本にモンブランという会社がある
https://mont.jp/

ここは僕もチームとして一緒に働かせていただくことが多い会社なんですが
モンブランで作られるウェブサイトのほとんどに
「企画」という軸が埋め込まれている。

ゆえに、テンプレートサイトでは絶対にできない
「オリジナリティ」が存在している。

もし、ウェブサイト制作がコモディティ化して
レイアウトや構成がロジカルに分析され最適値が導き出されたら
似たようなサイトが沢山生まれるだろう。

そんな時に、きっと求められるのが
「オリジナリティ」だと僕は思う。

もっというなら会社や商品の「オリジナリティ」を「企画とアイデア」でブラッシュアップして「世界にひとつだけのウェブサイト」がつくれるとしたら、その会社、クリエイターは才能が枯渇するまで必要とされると思う。


もちろんクリエイティブかロジックかという二元論ではない
ウェブサイトを構築する上ではどちらも必要な要素だ。
世の中の時流と自らの身につけるべき現在と未来のスキルは切り分けて考えないといけない。

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