DV相談のお仕事⑧
GWが終わった直後に、身体暴力の面接相談を受けました。緊急の時は電話だけでなく面接もしています。
市役所から案内された、急いで面接してほしいと電話が入ったのはGWあけてすぐのこと。GW中は夫や彼がそばにいるためか、相談電話は例年どおり少なめでした。平日になったとたんに電話は急増。それも重い相談が多くなります。
面接の約束をして現れたのは40代の女性。
「顔面をこぶしで殴られて鼻骨骨折した。」
近年は妻や彼女への身体暴力はDVである、逮捕もされるというのが世間に知れ渡ってきたので身体的暴力は減る傾向にあります。(もっとも外から見てわからないようにお腹や背中など服に隠れる部分に暴力を加える人もいるので要注意ですが)
鼻骨骨折から一ヶ月以上たっていたので、怪我は完治されていました。でも心の傷はまだ深く生傷状態で、涙をこぼしながらの面接でした。
それでも必要なことは、グイグイ質問します。婦人相談員ってけっこう容赦ない職業。もちろん言葉は最大限選びながら。
殴られた時の状況を聴く。
「まだ洗濯物乾いてないよって言っただけ。」
ベランダでタバコを吸おうとした夫が洗濯物が邪魔だと言ったので、まだ乾いてないと返した。
たったそれだけの返事に夫は切れて無言で顔面に拳でパンチを入れた。至近距離から容赦なく。当然あたると思ってのこと。寸止めでもない。妻の顔を殴れる夫。
怒らせるようなことを言ったんじゃない? 夫が切れて当然のことをしでかしたんじゃない?
友達や知人、場合によっては親までが、こんな言葉を発します。
暴力をふるうからには、それなりの理由がありはずだ。そうでなければ、妻を殴るわけがないと。
そう思いたい人はいっぱいいます。特別な事情を抱えた特別な人たちの話なんだ。と思えば、自分は安全だから。
でも殴るのに理由はないんです。どんなに敬語を使って刺激しないように話しても殴るときは殴ります。
「俺を怒らせるおまえが悪い」
なぜかDV夫はみんなそう言います。俺は悪くない。おまえのせい。「遅刻したのはおまえが起こさなかったからだ」って言った夫もたくさんいます。
小学生かって、突っ込みたくなりますが、結婚する前は、ママが大事な大事な息子が困らないように全部手伝っていたんだなと想像できる夫も多いのです。
ここからはnoteを読んでいる皆さまにお願いです。
DV被害を打ち明けられたら、信じてあげてください。彼女の話を。
にわかに信じがたい話でも、まさかと思うような話も現実におきているから。
余談ですが、DVをテーマにしたドラマ、ほとんど見ません。たまに予告で不意打ちに見ると笑えます。ドラマはドラマ、作り物に過ぎない。現実は違う。
DV被害の話が重すぎて、負担になる時は相談先があると教えてあげてくださいね。
最寄りのDVセンターにかけてください。最寄りがわからない時は#8008で案内してくれます。内閣府のDV相談プラスは24時間受けてます。0120-279-889
リンクをはるという器用な事ができなくてすみません。(次回までに学んでおきます。)どうぞ皆さまよろしくお願いします。
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