毎晩23:00の勝負。
ピーーーーヒョロヒョロ~
ガゴガゴガゴ
ピーーーーヒョロヒョロ~
・・・・・
ツー ツー ツー
ピーーーーヒョロヒョロ~
ガゴガゴガゴ
ピーーーーヒョロヒョロ~
・・・・・
ツー ツー ツー
毎晩23:00になると、僕の住むアパートの部屋の電話回線はインターネットという未来装置に接続しようと格闘していた。
「テレホーダイ」
これを聞いてピン!ときた人は、それなりの年齢だ。
分からない人にざっくりと説明すると。
「テレホーダイ」とは、1995年頃からNTTが提供していたアナログの電話回線を経由して、インターネットに接続するもので、23:00~am8:00までの深夜~早朝までの時間帯のみ、インターネットを定額で使えるサービスのことだ。
その当時は「インターネット」というより「パソコン通信」というほうがしっくりくるが。
専門的な用語を正しく使えるかわからないが、いわゆる「ダイヤルアップ接続」というやつで、自宅の電話回線をモデムを経由してPCにつなげて、www(←草生えるではない)に接続していた。
「深夜帯が定額」ということからわかるように、ダイヤルアップ接続というのは、電話回線を使っているので「1分〇円」で課金され続けるのだ。
要するに、テレホーダイ以外の時間で調子に乗って使ってると、電話代で爆死するわけだ。
だから、当時は23時になる5分前にはPCの前(当時の愛機は、Power MacのPerforma)に陣取り、ダイヤルアップ接続をする準備をする。
23時の時報とともに「接続」をクリック!
ピーーーーヒョロヒョロ~
ガゴガゴガゴ
ピーーーーヒョロヒョロ~
・・・・・
ツー ツー ツー
ピーーーーヒョロヒョロ~
ガゴガゴガゴ
ピーーーーヒョロヒョロ~
・・・・・
ツー ツー ツー
冒頭にも書いた、この呪文のような音は、まさにPCがインターネットに接続しようともがいている最中の音。
一斉にテレホーダイを利用するユーザーが接続するため、昔のコンサートチケットの申し込みのように、電話が込み合ってる状態に陥るのだ。
毎晩。必ず。
週末となればその競争はさらに激しくなる。
平気で1時間は接続されないこともあるくらいだ。
接続されたらもうこっちのもの。
ウキウキ気分がとまらない。
そして、大切なことを忘れちゃいけない。
「電話回線」を使用しているので、テレホーダイ中は、家TELはずーーーっと話し中状態になるw(←これは草生えるです)。
しかも、当時は携帯電話も普及されていない1995年頃なので、友達からは家に電話がくるわけで、用事があってもずーーーーっと話し中で、後で必ず怒られる。これが実家の親からだとさらに怒られるのだ。
とにかく、今考えるとイチイチ面倒くさいw。
当時は、接続スピードも遅いわけで、テキストべースのサイトが多いし、ましてや動画なんてあるわけない。
サイトのTOPページには
「ようこそ〇〇〇ページへ お客様はXXXXX番目です。」
とアクセス・カウンターが必ずといっていいほどついており、「キリ番」を狙う遊びまであった。
サイト内には、必ず「掲示板(BBS)」があって、ここで情報を書き込みあったり、「チャット」があったりした。
僕は、この「チャット」に大ハマり。
今のFacebook的に言えば、趣味のコミュニティーとか、共通のグループみたいなテーマごとに部屋があって、その中でリアルタイムで会話をするのがチャット。
>hi all みなさんはじめまして!
から会話に参加する、いわゆるネチケっていう暗黙のルールみたいなものがあった。
毎晩何時になると、決まったメンバー(見ず知らずの)が集まって、グダグダチャットし合うだけなのだが、それがとにかく楽しかった。
オフ会を経験したのもこの頃。そこで仲良くなった>チョコちゃん ともデートしたっけ(照)。
こういう双方向感や、リアルタイム感の楽しさを味わえたのが、僕の「#はじめてのインターネット」体験だ。
それから25年経った今、僕はインターネットに深く関係した会社を経営し、毎日15時間はインターネットの世界にいる。