深夜1時のあたたかい談義
今はじつは渋谷に住んでいて、駅から歩いても10分で着いてしまうような場所だ。すごい街中で、人の行き交う姿も走る車も常に聞こえてくる。まさに眠らない町とはこのことかと思うくらい賑やかだ。
でもその賑やかさが時に虚しくすることもある。それは仕事がうまく回らず、思い通りに進まず頭を悩ませているときは賑やかな声や音は次第に雑音へ変わる。うるさいなあ、と思いながら帰ることが最近多い。自分の頭の中調子を測れるセンサーの役割もこの街は担ってくれるようだ。
そんな感じで落ち込む時は寝たらだいたいがどうでもよくなって次の日から切り替えられるんだけれども、その日は珍しくルームメイトである友人に相談してみた。
日頃から自分の活動を近くで見ていて、何かあったら割と報告していたから話の内容はすぐに察してくれた。
今していることが正しいのかどうか。今していることを続ければ本当に成し遂げたいことから遠ざかってしまうかもしれない。どうしたらいいんだろうね。
くらいの相談だったと思う。深夜だったからあまり鮮明に覚えていないけど、彼は否定しない。決して否定からはいることはない友人だ。彼が否定するときは本気で考えを改めようと思うくらいに優しい人間だ。その時も否定はしなかった、肯定してくれた。成功するかどうかなんかわからないけど、寝る前の心が不安定になる瞬間にふと話ができる友人を持てただけで本当に自分の人生は幸せだと思う。そのあとはもう一人のルームメイトである別の友人も談義に参加し、他愛もないことでへらへら笑って自分の部屋に戻っていった。
今は社会が求めていることをしているのかもしれないけれど、本当はそっちをしたいんじゃない。必要とされる場所へすぐに行きたい、でも自信がない。そんな人いっぱいいるのに。
周りの理解のある知人に聞いても、今していることが近道だといっていた。
世間でいうと「成功」を収めているであろう別の友人からは、
本質的な目標を達成するために本質的でないことをすることが達成に近く一番の近道だ。と教えてもらった。
点と点が繋がって線になる。という故スティーブ・ジョブズの有難い話があるけど、これも点でしょうか。