『ぼくのだ!わたしのよ!』
<レオ・レオニ>シリーズ No.9
かいのどうぶつえん 園長です。
今回は、ケンカばかりしているカエルが主役の絵本、レオ・レオニ作(谷川俊太郎訳)の『ぼくのだ!わたしのよ!』(It's Mine!)です。
サブタイトルは「3びきの けんかずきの かえるのはなし」。1989年発表です。
小さな池の小さな島で暮らしている3匹のカエルたちは、みんな自分勝手です。
自分の池だと言いはって「池に入るな」と叫ぶカエル。
自分の地面だと主張して「島から出ろ」と怒鳴るカエル。
あろうことか「私の空気よ」とわめくカエル・・・。
ある日、巨大なヒキガエルが池にやってきて、「ぼくのだ!わたしのよ!」と金切り声でケンカするのをやめろと叱責します。
ところが3匹は聞く耳をもちません。
しばらくすると、滝のような大雨で池の水嵩が急上昇!
3匹は震えあがって岩にしがみつきました。そして恐怖の一晩を過ごし、朝になって水が引くと、助けてくれた岩が実はヒキガエルだったとわかりました。
3匹はケンカなどケロリと忘れ、「みんな みんなのものよ」と幸せな気分になって物語は終わります。
ところで海の向こうの大統領選挙では、国民の対立が激化しています。分断された親子や夫婦、友人などの大切な人間関係をいかに修復するか?古い話ですが、“カエサルの寛容”を思い出す必要がありそうですね。(塩野七生著『ローマ人の物語』)
貝たちと園長は「割らない」「塗らない」「削らない」と固く約束して制作しています。
<貝の配役>
★カエル
顔:アサリ 目:ヒメカノコ/フジノハナガイ/スガイ
手足:タモトガイ/カムロガイ/ウノアシ 体:ハナマルユキ
★島:マガキ ★草:アカイカ(甲) ★池:マドガイ