「ウオノノドボトケ」
<かわりもの>シリーズ 四匹目
かいのどうぶつえん 園長です。
ちょっとかわった姿形や、奇妙な行動や、不思議な食性など、とても愉快な生態の生き物たちを貝で制作しました。子供向けの説明もご用意しました。
今回は甲殻類の一種で、ウオノエ科の新種「ウオノノドボトケ」です。
ウオノエを漢字で書くと「魚の餌」。サカナの口中や鰓などに鋭い爪でしがみつき、体液を吸う寄生虫です。
鹿児島大学の専門家が、数年かけて屋久島沿岸で調査・採集しました。
グルクンと呼ばれる魚の寄生虫の形態やDNAを解析し、2023年にウオノエの新種確認と発表しました。
人間でいえば喉のあたりに寄生することから「ウオノノドボトケ」と名付けられました。
実はウオノエは、釣り人や漁師には顔馴染みの寄生虫。
ただ、流通過程で見つかると必ず排除されるため、存在はあまり知られていません。
種類が多く、たとえばタイノエ(鯛の餌)は、タイの舌にメスとオスが仲良く寄生し、「福玉」とよばれて縁起物とされています。
あれこれ調べると、食べてみたら「おいしかった」との体験談もあります。
しかし、見た目が近縁種のダンゴムシやオオグソクムシそっくり!
あまり食欲はわきませんね。
☆こどもむけ せつめい☆
ぼくは さかたの のど(えら)に
かくれている きせいちゅう です。
きゅうしゅうの うみで はじめて
みつかった しんしゅで
なまえは 「うおの のどぼとけ」です。
だんごむしや
だいおうぐそくむしの なかまです。
「おいしいよ」
という ひとも いますが
きみは たべたい かな?
貝は「割らない」「塗らない」「削らない」ルールで制作
<貝の配役>
★体節:リュウキュウザルガイ 脚:ヤカドツノガイ 爪:アカウニ
複眼:ヒメカノコ 口器:ムラサキウニ
★海:マドガイ (支柱:ミズイロツノガイ+タモトガイ)