『でんでんむしのかなしみ』
<新美南吉>シリーズ 第四巻
かいのどうぶつえん 園長です。
今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。
第4回目は、世界に紹介された『でんでんむしのかなしみ』です。
ある日のこと。一匹の“でんでんむし”が自分の殻の中に“悲しみ”がいっぱい詰まっていることに気付きました。
もう生きていけないと嘆き、友達にうちあけると「僕の殻も悲しみでいっぱいだ!」と言われてしまいました。
そうして次から次へと友達を訪ね、誰に聞いても同じことを言われたのです。
とうとう、でんでんむしは「悲しみは誰でも持っている。私は自分の悲しみに堪えていかねばならない」と気づき、嘆くのをやめました・・・。
1998年。現在の上皇后陛下である美智子様は、インドのニューデリーで開催された国際児童図書評議会(IBBY)の世界大会に招かれ、ビデオテープによる基調講演をなされました。
ご結婚後、三人のお子様とご一緒に『赤ずきん』や『アルプスのハイジ』、レオ・レオーニの『あおくん』などを読まれたこと。
続けて、ご自身が幼い頃に、『でんでんむしのかなしみ』を聞かせてもらったことや、ストーリーと意義を詳しく語られました。
こうして、新美南吉ならではの世界観と童話の魅力が、日本だけでなく、海外の児童図書関係者に紹介されました。 つづく
貝と園長の固い約束「割らない。塗らない。削らない」
『でんでんむしのかなしみ』〜使った貝殻〜
でんでんむし
体:タケノコカニモリ・オトメフデガイ
殻:クルマガイ・キサゴ 目:スガイ
触角:ヤカドツノガイ
草の葉:ミドリイガイ 地面:イワガキ 池:マドガイ