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『手袋を買いに』
<新美南吉>シリーズ 第五巻
かいのどうぶつえん 園長です。
今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。
第5回目は、雪の夜に町に出かけた狐親子の物語、『手袋を買いに』です。
寒い冬がやってきて、小狐が生まれて初めて雪の野原で遊びました。
冷え切った手を暖めてやりながら、母狐は毛糸の手袋を買ってあげようと決めました。
夜になって洞窟を出て、町の灯りを見たとたん、母狐は足がすくんでしまいました。以前、人間にひどい目にあったことを思いだしたのです。
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母狐は子狐の片手を握って、人間の子供の手にかえ、町の帽子屋へ行って戸を少しだけ開けたら、必ず人間の方の手を出すこと。そして「手袋をください」と言うように教え、お金を持たせました。
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子狐は帽子屋の戸を叩き、間違えて狐の手を差し入れてしまいました。
店主は「化かしに来たな」と疑いましたが、お金が本物とわかると黙って手袋を渡してくれました。
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無事に手袋を買って帰ってきた子狐は、「母ちゃん、人間ってちっともこわかないや」。「手をまちがえて出したけど、なんでもなかったもの」と白状。
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母狐はあきれながら「ほんとうに人間はいいものかしら」とつぶやきました。
1933年(昭和8)、新美南吉20歳の作品です。 つづく
貝と園長の固い約束「割らない。塗らない。削らない」
『手袋を買いに』〜使った貝殻〜
小狐:キクスズメ/チャイロキヌタイ/スガイ/ハナマルユキ他
母狐:キクスズメ/マクラガイ/スガイ/ジュドウマクラ/トンボガイ他
店主:アマオブネガイ/キクスズメ/スガイ/ハツユキダカラ/カニモリガイ
帽子店:パイプウニ/アカウニ/ヨメガサガイ/キサゴ/ホタテガイ他