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『オツベルと象』

宮沢賢治シリーズ 第五回

かいのどうぶつえん園長です。
今回は、宮沢賢治作『オツベルと象』(Ozbel and Elephant)より、タキギ運びの場面です。
強欲な地主オツベルの農場に、若い白象がやってきました。オツベルは象を自分のものにして稼がせようと目論み、だまして前脚に100kgの鎖、後脚に400kgの分銅をしばりつけました。力持ちで気のいい象は、暴れるどころかうれしそうに「なかなかいいね」とつぶやきました。
次の日、川から水を運ばせ、翌日は大量のタキギを運ばせるなど、オツベルは情け容赦なくこき使い、とうとう白象は卒倒。夜空の月に「もうさよならです」と訴えました。
懸命に働く白象を制作しながら、中国南部の自然保護区を脱出した15頭のアジア象が気がかりでした。北部への500kmの旅の途中で生まれた、よちよち歩きの赤ちゃんと、やさしくかばう母象の姿。
さて話を戻すと、象はとても高い知能の持ち主で、鏡を見て自己認識し、簡単な足し算ができるとか。なによりチームワークを尊重し、仲間を大切にする動物として知られています。
オツベルに酷使され、力つきた若い白象は手紙を書きます。読んだ森の象たちは「オツベルをやっつけろ」と吠え、農場に向かって、どっと駆けだしました・・・。
国語の教科書でも親しまれてきた名作の結末は、書店や図書館で。待てない方は、ネットの青空文庫でご一読ください。

重い薪を背負って・・・
重い鎖をひきずって
背景色を変えました

『オツベルと象』(青空文庫)https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/466_42316.html

2003年の開園時より、貝たちとは「割らない」「塗らない」「削らない」と固く約束して制作しています。園長

            <貝の配役>
★白象 身体:アオイガイ/アオイガイ科/寄贈(青森県)
      目 :スガイ/リュウテン科/採取(神奈川県) 
      耳 :サギガイ/ニッコウガイ科/採取(神奈川県)
     象牙・尾:ヤカドツノガイ/ゾウゲツノガイ科/採取(神奈川県)
     四肢:マクラガイ+タマガイ/寄贈
★鎖・分銅:スガイ(蓋、殻)  ★タキギ:パイプウニ  ★地面:ホタテガイ


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