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「負けてたまるか」

<舞台裏>シリーズ No.15

かいのどうぶつえん 園長です。
貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。

このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。

第15回目は「負けてたまるか」 です。
ここでは、園長の“ど根性”をご紹介します。

新型コロナウイルスの発生から3年余。日本では2023年5月より、感染法上の分類を季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることになりました。
ただ、街中では用心深いマスク姿もまだ多いようですね。

ふりかえれば2020年。ある日突然という印象で、新型コロナウイルスが爆発的に感染拡大。あっという間に全世界で大流行。死者や感染者が千人、万人単位で増加し、国境閉鎖や都市封鎖など、ウイルスと人類は戦争状態になりました。

日本でも、ほとんどの活動が自粛要請され、仕事も学業も、スポーツや旅行や買物などの楽しみも、”おあずけ”状態。人々は正体不明なコロナへの不安から、怯えおののき、息を殺して家に巣ごもりしました。

こうなると、有効な治療薬と予防薬が開発されるまでは、ずっと、みじめな負け犬なのか?というと、実はそうでもなかったようです。

人間らしいウイットを感じたのは、当時、SNSで話題となった「アマビエ」でした。

江戸時代に「疫病が流行したら、私の姿を絵に描いて人々に見せなさい」と予言して、海に帰った疫病撃退妖怪。その姿を刺繍したマスクや人形、キーホルダーなど関連グッズが飛ぶように売れたそうです。

江戸時代に描かれた妖怪「アマビエ」

「かいのどうぶつえん」でも、負けてはならじと新作「アマビエ」を公開。
「忘れかけていたユーモアを取りもどそう!」
「コロナだって心の中までは汚染できないぞ!」と呼びかけました。

顔をアップ
足をアップ
疫病退治はまかせなさい
海の底に帰りました

この作品は、海外の貝類学専門サイト『Conchology』の、ニュースページに掲載されました。

外国の貝類学者もびっくり!

さらに、ホタテガイの家で仲良くステイホームしている「フウセンウオ」を発表。
外出自粛でマイホームに閉じこもり、いさかいの絶えないご家族たちに、笑顔や思いやりで、長期戦をのりこえようと訴えました。

狭いわが家で、ゆったりと仲良く ステイホームしている「フウセンウオ」

また、ダチョウの驚異的な免疫力を活用したコロナ防御マスクに着目。
「ダチョウの卵」を制作し、人類の窮状を見かねたダチョウからの、心強い贈り物として紹介しました。

新型コロナ防御マスクは、鳥類最大の ダチョウの卵を活用し、日本で開発・製造

ふりかえると、感染拡大した年の3月に
横浜パシフィコで開催されるボートショーで、
「かいのどうぶつえん」のワークショップを準備していました。

ところが、開催直前になって会場対岸の大型クルーズ船で、
新型コロナウイルスの集団感染が起きたのです。

キットや作品展示など準備万端だったのに、全ておじゃん。

その後、ワークショップも展示会も、一部を除いて全滅状態が
4年近く続きました。

しかし、黙って負けてはいられず、できることは全てやりました。
さあ今年は、遅れを取り戻すため
シャカリキで本格的な活動を開始しなくては!     つづく

貝は「割らない。塗らない。削らない」のスッピン勝負

   疫病撃退妖怪 「アマビエ」 〜成分表〜
:トミガイ  ★:ハツユキダカラ  
:フジノハナガイ ★:スガイ/アカウニ 
:ヤカドツノガイ  ★:ウノアシ 
:ムラサキイガイ ★:クダタマガイ/アカウニ 
:マドガイ/ハマグリ



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