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「ほろ酔いゾウ 」
記念作品シリーズ 第六回
「かいのどうぶつえん」では、2006年の開園以来、毎週1作品のペースで、新作を制作。そして、100回目ごとの節目に、“記念作品”を制作し公開してきました。
このシリーズでは、時間をさかのぼって記念の作品をご紹介します。
六回目は、2015 年10月に公開した第400回目の作品、
「ほろ酔いゾウ 」 (tipsy elephant)です。
広報担当者からもらった、沖縄土産の貝をながめていて、
400回の記念作品の“ゾウの頭”に使おうと決めました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715733171132-0g4mjOekDF.jpg?width=1200)
四字熟語で「鯨飲馬食」といえば、短時間に大量に飲食することを意味しています。
その連想で、ゾウさんが400回の祝い酒を呑みすぎて、酔眼朦朧。千鳥足でふらつくシーンの記念作品は、あっという間に完成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715733268992-lQDSr5lWME.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1715733346572-mHyW6hSNh8.jpg?width=1200)
すぐさま撮影し、ハガキやパネルの編集をはじめると、またもや高い壁にぶち当たってしまったのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1715733426430-WxDTUJM6zc.jpg?width=1200)
ゾウの赤ら顔に見立てた貝の名前が、どうしてもわかりません。
手元の貝類図鑑を全部ひっくり返し、ネットの貝殻情報源を調べても見つかりません。
![](https://assets.st-note.com/img/1715733485878-zJ1svKjGLP.jpg?width=1200)
お手上げ状態で、とうとう副園長に応援してもらい、大部の「日本近海産貝類図鑑」(奥谷 喬司編著)をとことん再捜索。
とうとう、290頁にそっくりな貝を発見することができました。
フジツガイ科で、名前は「ニクイロフジツガイ」。
![](https://assets.st-note.com/img/1715733636332-xlvn1HiRFX.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1715733736512-nDMlQM4gAc.jpg?width=1200)
ややこしいことに、同じページに「オオゾウガイ」という、そっくりさんまで発見し、名前としてはこちらの方がピッタリ。食指が動いたものの色がちょっと違いました。
白状しますと、貝の作品制作は手間暇かかっても、いつもワクワク気分です。
しかし、使用した貝の同定(分類学上の種名決定)は苦手中の苦手で、ずっと悩み続けてきました。
同じ貝でも色や形は様々で、図鑑の写真ではよくわからないケースが多いのです。
ただ、長年作品展を開催していると、貝類の専門家や学者さんの知己を得ることができます。
幸いにも、みなさん親切な方ばかりで、貝の動物にも関心を持ってくださり、折に触れて助けていただいてきました。
これも、「かいのどうぶつえん」が20年近く長続きしている理由の一つではないでしょうか。
2024年も、恒例の葉山図書館展を開催予定。今年で連続15回目になります。
貝は「割らない」「塗らない」「削らない」の“3ない”ルール
第400回 「ほろ酔いゾウ」 使用した貝
★頭・鼻:ニクイロフジツガイ ★胴体: ヤツシロガイ
★目:スガイ(ふた) ★耳:トコブシ ★象牙:ヤカドツノガイ
★四肢: トクサバイ/キクスズメ
![](https://assets.st-note.com/img/1715733891172-CrHrqhAUa8.jpg?width=1200)