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「日傘ネズミ」

バンクシー・シリーズ 第1回

バンクシー・シリーズの第1回は白昼堂々と散歩する「日傘ネズミ」(Parasol Rat)です。

制作のきっかけは、謎多き画家バンクシーの「傘ネズミ(Umbrella Rat)」によく似た絵が、東京港区の防潮扉に落書きされていた!というニュースでした。

東京の防潮扉で発見された「傘ネズミ」(2019年)

真贋はどうあれ、迷わずつくろうと決めたのですが、貝を使って立体化しただけでは芸がありません。

左手に日傘を
右手にバッグを

そこで夜行性のネズミに無理やり日傘を持たせて、直射日光のもとで撮影し、シャドーを際立たせてみました。

お日様がまぶしい

日本語のタイトルは、単純に「ネズミ(鼠)」でOK。しかし英語圏ではネズミの呼び名が2種類あって、「ラット」は野生の害獣、「マウス」は小型でかわいいペットと使いわけているそうです。

そっくりさん

たとえば”ミッキーマウス”や”トムとジェリー”など人気のキャラクターは、ほとんどが「マウス」ですが、バンクシーは、あえて「ラット」を使っています。不衛生で、食品を食い荒らす”嫌われ者”を主役に引き立て、スポットを当てたのは、なぜか?

さらに、ロンドンのオークションに出品された彼の「風船と少女」。落札のハンマーが鳴った直後に絵を裁断するよう、額縁にシュレッダーを組込んだ理由は、なにか?

ザザビーズで落札直後、シュレッダーで裁断された「風船と少女」(2018年)

諸説紛々で、今はチンプンカンプンですが、異色のアートに込められた社会風刺や批評など、意表を突く彼からのメッセージを、ひとつひとつ楽しみながら解読しようと目論んでいます。

         貝と園長の固い約束

    「割らない」「塗らない」「削らない」

        スッピンで勝負だ!

第1回「日傘ネズミ」―貝のキャストー
☆日傘ネズミ
頭:ハツユキダカラ 体:ホシキヌタ 目:スガイ 耳:シマメノウフネガイ
鼻:マメニセザクラガイ ヒゲ:アカウニ 尾:ヤカドツノガイ
手:カニモリガイ 足:タモトガイ+ムラサキウニ
☆バッグ:シジミ+ムラサキウニ  ☆地面:シロミルガイ



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