『ごんぎつね』
<新美南吉>シリーズ 第七巻
かいのどうぶつえん 園長です。
今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。
第7回目は、教科書や絵本、アニメ映画や演劇などで広く親しまれてきた
名作童話『ごんぎつね』です。
山の森に「ごん」という名前の小狐が住んでいました。親も兄弟もいないひとりぼっちで、いたずら好き。ある日、村人の兵十が、川で捕まえた魚やウナギをコッソリ逃しました。
実は、病気の母親に食べさせるための大切な食料だったのです。
しばらくして、母親が亡くなったのを知った”ごん”は、お詫びのつもりでイワシを盗んで兵十の家に投げ込みました。
しかし魚屋は兵十が盗んだと勘違いし、殴られた兵十は“ごん”をうらみました。
兵十が怒られたと知った“ごん”は、深く反省。
毎日、自分でひろい集めた栗や松茸を、気づかれないよう、兵十の家に届けました。兵十は誰が持ってくるのか、わかりません。
ある日、”ごん”が家に忍び込んだ気配を察した兵十は、またイタズラをしにきたのかと疑い、火縄銃で撃ってしまいました。
兵十が、倒れた”ごん”に駆け寄ると、土間に栗が置かれていて、”ごん”のお侘びの品だったことに気づきました。
「ごん、おまえだったのか」と問いかける兵十。
“ごん”は目を閉じたまま、うなずきました。
地面に落ちた火縄銃の筒口から、青い煙がでていました。
1931年(昭和6)、新美南吉18歳の作品です。
貝と園長の固い約束「割らない。塗らない。削らない」
『ごんぎつね』〜使った貝殻〜
ごん(きつね) :キクスズメ・チャイロキヌタ・スガイ・ジュドウマクラほか
兵十:アマオブネガイ・キクスズメガイ・スガイ・ハツユキダカラガイほか
火縄鉄砲:ヤカドツノガイ・ヒメイガイ・アカウニ
納屋:パイプウニ・アカウニ・ヨメガサガイ・キサゴ・マテガイ
木:エダサンゴ 農具:アカウニ・ナミノコガイ 栗:コハクダマ