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【Bリーグ】琉球ゴールデンキングスのイタリア遠征を振り返る〜沖縄を世界へ〜

今回は琉球ゴールデンキングスがプレシーズンに行ったイタリア遠征について、私見の感想を中心に書いていきたいと思います!

期間:9月5日(木)から9月10日(火)
場所:イタリアのシチリア島に位置するトラパニ
概要:本トーナメントは主催クラブであるトラパニ・シャーク(イタリアリーグ1部)より、アジアを代表するクラブとしてキングスが招待を受け、ユーロリーグ優勝の実績を持ちこれまでに多くのNBA選手を輩出してきたセルビアの強豪パルチザン・ベオグラード、同じイタリアリーグ1部に所属するデルトナ・バスケットの4クラブで開催

結果は以下


琉球ゴールデンキングス公式 イタリア遠征特設ページより

今回、惜しくも勝利には至らなかったものの、結果以上に得られたものが大きい遠征であったと思います。
Bリーグのクラブとしては初となる欧州遠征ということで、Bリーグを代表した挑戦という意味で、琉球ゴールデンキングスが掲げる「沖縄を世界へ」というビジョンのもと行われた素晴らしい取り組みであったと思います。


Bリーグから欧州のクラブ親善試合に呼ばれる価値

ユーロバスケを引っ張るパルチザン・ベオグラードも参加するトーナメントであり、イタリアの伝統的なクラブが参加する国際的なクラブマッチにおいて、アジアから唯一琉球ゴールデンキングスが招待を受けたことは、日本のバスケットボールやBリーグの注目度の高さや、琉球ゴールデンキングスが長年かけて培ってきた欧州クラブとの関係性を物語っていると思います。
相手クラブのプレイヤーの実績はNBA経験やスタッツの観点でも非常にレベル高いマッチであり、そこに招待されたことは、琉球ゴールデンキングスという1つのクラブにとどまらず、Bリーグがアジアや世界の中で存在感を高めていくためにも非常に重要だと感じます。

「Bリーグができる前にキングスが招待されたかと言うとそれはないでしょうし、かといって、Bリーグができたからキングスが招待されたかと言っても、それも違うと思います。Bリーグの注目度が上がる中、実力があり、多くのファンがいて、ビジネスとしてもしっかり成り立っている優秀なクラブはどこか、という基準で考えた時に、キングスを選んでいただきました。それは、とてもありがたいことです」

琉球ゴールデンキングス 安永GM談


ヨーロッパの伝統的なクラブとやり合える力

惜しくも結果としては2敗ということになりましたが、初戦トラパニ・シャークは3Qまではほぼ一桁点差でついていくという戦いぶり。
スタッツを見ても遜色ないレベルでプレーをしており、琉球ゴールデンキングスが欧州の名門クラブ、セリアAレベルでも十分戦えることを示したことは、Bリーグの他クラブにとっても大きな自信に繋がっていくのではないでしょうか。

YouTube配信より切り抜き
YouTube配信より切り抜き


アルマ、伊藤達哉の存在感

今回、琉球ゴールデンキングスとしては今シーズン初めてのプレシーズンマッチということで、新加入選手のお披露目という形になりました。
その中で、伊藤達哉とケヴェ・アルマ2人はとてつもない存在感を見せてくれました。
ワンアームの距離感でのアグレッシブなディフェンス、ビハインドバックのパス、スピーディーなバスケットボールマネジメントなど、琉球ゴールデンキングスが近年少し不足していた部分が、伊藤達哉によってもたらされているような気がしました。
サイズ的には特にこのイタリア遠征では小さい伊藤達哉がこれだけの存在感を見せてくれるのは観ていてとても楽しかったです。
また、NBAサマーリーグでは大活躍しすぎてコールアップ(NBA本契約)もされてしまうのではないかと心配したケヴェ・アルマはやはり素晴らしい活躍を見せてくれました。
自らボールプッシュをする力やリム付近での存在感の高さは、まさに現代バスケットボールにおけるストレッチ4として高いポテンシャルを感じさせた。
ヴィック・ローに加えて、フィジカル面でも強いアルマが入ったことで、クーリー、カークと共に最強のフロントコート陣を形成したことが伺えた。

バスケットボールの質

NBAに次ぐマーケットとレベルであるヨーロッパということで、サイズ、フィジカルはもちろん高く、キングスもライブターンオーバーが多くなってしまう部分も序盤はかなりありました。
運動能力重視のNBAと、システマティックなクオリティの高いバスケのイメージが強いヨーロッパではありますが、まず大前提として、基本がベースであり1on1の強度が高いことが最も質が高いと感じた部分でありました。
トランジションをしっかり行い、シンプルなバスケを遂行する力がある、これが欧州のバスケットボールの質の高さであると感じました。
といっても、一方で、琉球の強度の高いディフェンスなどは十分通じる部分もあったので、Bリーグやキングスのバスケットボールの質の高さも改めて確認できた点は良かったです。

Bリーグのビジネス面での強さ

逆に配信を見ていて気になったのは、観客席の埋まり具合。
Bリーグは直近の人気と地元密着によって、プレシーズンマッチでもほぼ満席の状態になっています。しかし、今回は欧州にとっては無名のキングスということもあるだろうが、かなり空席が目立ちました。これを沖縄アリーナで開催したら間違いなく満席になるでしょう。いずれは欧州クラブを招待できるような未来を期待したいです。
この辺のBリーグのビジネス面での強さは、選手の待遇にも影響し、また、海外リーグから来た外国籍選手にとっては、シーズンとしての契約(シーズン途中で解約が無い)の安定性、日本の生活環境など含めてヨーロッパからBリーグに参加してくれる理由が垣間見えたという遠征でもありました。


試合はYouTubeでフルで観ることが出来ます。

最後に、今回の配信では、井口さんの解説を組んでくれてとてもありがたかったです。
ヨーロッパバスケから日本バスケは学ぶべきことが多く、NBAやオーストラリアNBLではないものが学べてとても良いと思っています。
本当はもっと情報があってよいのかなと思いますが、井口さんがグローバルな情報含めて解説頂けたのでとても楽しく視聴することが出来ました。


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