2軍だった私が素直さだけで日本一になっちゃった話
はじめまして! あきふぉです。
12年前まで私はソフトテニスの実業団選手でした。今は指導者として競技に関わっています。身長156cm、100m走のタイムは平均以下と、身体的なアドバンテージはない選手でした。そんな私ですが努力を重ね、6回の日本一と国際大会3冠を成し遂げました。
この経験で感じたのは「特別な才能がなくても、信じることで道が開ける」ということ。夢はあるけれどまだ実力が伴っていない方、自分よりできる人に劣等感を抱えている方に伝えたいと思い、この記事を書きました。
ソフトテニスとの出会い
私には9歳上の姉がいます。姉は小学生からソフトテニスを始め、高校で全国3位の実績を残した選手。大会の応援へいくと「あきふぉもテニスやらないの?」「妹の方が絶対活躍するって!」と周りからよくもてはやされたものです。当時8歳のあきふぉは調子に乗りました。
「お姉ちゃんができるなら自分はもっといい線いくんじゃね?」と根拠のない自信をもって10歳のとき少年団へ入りました。
期待に応えられない自分
しかし小中高どの指導者にも言われる言葉がありました。
「あきふぉって本当に妹なの……?」
姉はセンス抜群で1教えれば10できるタイプ。
しかし私は10教えても0.5しかできない選手だったようです。周囲の期待を裏切っていることを子どもながらに感じていました。
そんなどんくさい私ですが、姉よりも成績を残せました。姉になくて私に備わっていた唯一のもの。それは素直さでした。
高校1年生の全国大会
高校1年生の4月。校内戦で初めて3年生に勝つことができました。うれしくて調子に乗った私は帰りの地下鉄の階段で足を滑らせ転倒。右足首のじん帯を伸ばしてしまいました。なんとか高体連に出場するまでは回復しましたが、北海道大会ではレギュラーになれず。チームメイトが優勝する姿をフェンスの外から応援していました。
そして迎えた全国大会。なんと前日に選手変更でレギュラーになったのです。初めてのことにうれしさと不安が半々でした。だけど試合には出られないだろうなぁと思っていたところ先生に呼ばれました。
「ペア変更、あきふぉ」
ええええええええええ
うれしいけど……私一回も団体戦に出たことがないのはご存じですよね?
3年生さしおいて私ですか? これってどっきりじゃないですよね?
初のレギュラー
さっそく2回戦から3番手としてエントリー。3ダブルス中2点先取というルールで行われる団体戦では2-0で勝負かつくと3番手の試合は行いません。一度も試合に出ることなくあれよあれよと決勝へ進みました。
相手は春の全国大会で優勝した超強豪。特にエースの強さは抜きん出ていました。1年生ペアの私たちがばけものと戦って散り、他の2ペアに勝ってもらうオーダーになるのだろうと思っていました。
初めての団体戦で捨て駒扱いなのは複雑でしたが「せめて1点でも多くとれるよう頑張ろうね」ペアとひそひそ話しました。
しかしオーダーをみると私たちは3番。対戦相手はばけものではありません。あれ、これ私たちに日本一かかってくるやつでは……?
大役を任されたわくわくと、経験のなさからくるむずむずを感じていました。そんな私の気持ちを見抜いた先生はこっそりこう言います。
「あきふぉの良さは足が動くところ。期待してる」
私、それまで一度も先生に褒められたことがなかったのです。もともと褒めて伸ばすタイプの先生ではありませんでした。そんな人から褒められたものですからもう有頂天。
マジですか!そーだったんですね!たしかにちょこまか動くのは得意ですよ!足めちゃくちゃ動かしますからお任せください!
単純な私はその言葉をそのまま受け取り、右足首が本調子じゃないことも忘れて超集中ゾーンに突入。犬のごとくボールを追いかけまくりました。そして試合開始15分。あと4点で優勝というところまで迫ったのです。その後に勝ちビビり10分で追いつかれましたが……母校の初優勝を飾ることができました。
まとめ
振り返ってみると素直というよりただのお調子者感がすごいな……
だけどあの時、1ミリでも先生の言葉を疑っていたらあんな奇跡起こせなかったでしょう。
言われたことを信じてやってみる。ひとつのことに全集中することで時強く以上の力が発揮されることを経験しました。その過程で結果が出るとさらにモチベーションも上がる。自信をつけた私は翌年2連覇を果たします。私の成長スピードを加速させたのは素直さです。
スポーツはいろんな気づきを届けてくれます。勝負の世界で得られるもの、趣味で楽しむ中で得られるもの。どちらも同じくらい価値があり、それを味わえるのがスポーツの良さだと思っています。
noteではそんなスポーツの良さを発信していきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!