バチクソに地味な怖い話
昔の怖い話メモを見ていたら、当時地味すぎて自分の中でボツになった話があったのだが、どうせ僕のnoteはほとんど誰も見てないので書いておくことにした。
今からもう6年ほど前に、あるBARでSさんという男性に聞かせてもらった話だ。
Sさんは東京の西部にある高校へバス通学をしていた。
当時、かなりのヤンキーで割と有名だったそうだ(話を聞かせてくれた時もクソ怖かった)。
ある日の学校帰り、いつもの様にバスに乗るとSさんは指定席である一番後ろの真ん中の席に向かった。
もちろん指定席といっても本物の指定席ではない。
席に座ったSさんは、自分の左側にいつもは見ない顔の中東系の男性が座っていることに気がついた。
すぐにSさんは「嫌がらせをしてやろう」と思ったそうだ。根っからのクズだ。
といってもとても地味な嫌がらせで、Sさんは左足を左前の座席にかけて、中東系の男性が降りる導線を塞いだだけだった。マジで地味だ。
しかもSさんが降りるのはバスの終点、どちらにしろどこかのタイミングで「スミマセン、オリマス」とか言ってくるだろうから、その際に絡んでやろうと思っていたそうだ。本当にクズだ。
バスの終点まではしばらくある。
Sさんは右隣に座っていた友人とくだらない話で盛り上がっていたそうだ。
結局、左の中東系の男性はSさんにビビっていたのだろう。終点まで何も言ってきたりしなかったそうだ。
バスが終点に着く。
どちらにしろ絡まれる運命である左の中東系の男性に目をやると……
誰もいなかったそうだ。
右隣の友人に聞いても「そんな奴最初からいなかったスよ」と。
東京西部のどこかの路線バスの一番うしろの席には中東系の男性の幽霊が出るらしい。
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