22歳、初めての個展②個展毎日やりたいわ〜
私はおそらく睡眠時間が長いタイプの人間で二度寝三度寝は朝飯前なのですが、展示が始まってからは一度目が覚めると「今までこんな人が来てくれてこんな会話したな〜」とか「明日は誰々が来て、明後日はあの人が来て…」とか考え始めてもう眠れなくなってしまいました。遠足前の小学生。
感染拡大により自粛していた8月・9月、人に会えなかった分を取り戻すかのように毎日在廊して人との会話を楽しみました。受付には予備の椅子・大量のお菓子・オセロ完備。たまにワインあり。(基本、大体のギャラリーは飲食禁止ですがここはオッケー!)
展示の中日、とても天気の良い日に渋谷に向かってるバスの中で幸せすぎて泣いたこともありました.… 人とつながりを持つことが自分にとってこんなにも重要だったのかと、改めて気付かされました。個展から続けて人と会うようになって、今までにないくらい長期間元気なので私は本当に人が好きなんだと思います。視界に入る人間全員に尻尾を振る犬みたいな?
毎日、本当に色んな人が来ました。総勢でおおよそ150人くらいが来場したのかなと思います。幼馴染み、中学・高校・大学の友達、先輩後輩、先生方、友人のご両親、友人の恋人、10年ぶりに会う友達、バイト先の友人、最近知り合った若い友達、30も歳の離れた友達、お世話になった教授、新聞社の方、ギャラリー廻りが趣味の方… 皆それぞれの鑑賞方法で、それぞれの感想を話してくれました。私が意識していたことや考えていたことをズバリ感想として仰ってくれる方もいて、とても心強く、励みになる経験でした。もちろん誰が来ても嬉しいものですが、普段美術に触れない人が私の展示に来てくれて、何かしらの反応をもらった時は特に嬉しかったです。
特に嬉しかった感想。大学の同級生の感想の一部です。
「僕自身、君が近しい人だからということだけではない何かしらの理由によって会場に足を運んで以来、あの時間の独特で幸福な余波があって、それが何なのかをじんわりと考えてる。〜 あの部屋に足を踏み入れた時、まるで強力な魔法が部屋を満たしているような気配があった。」
彼の言葉で、私は自分のやっていることにより一層の確信と自信を持つことができました。作品によって誰かと心を通わせることができる。あるいは、誰かの心に風を吹かせることができる。これからの人生できっと何度もこの言葉を思い出すんだろうなあ。
作品を売るということ
設営終了後にギャラリーの方から「販売する作品ってありますか?」と聞かれた時、作品を売るということを一ミリも考えてなかった私は「ないです!!」と元気に答えたところ「いいですね〜〜」と言ってくださったのですが(多分潔さを褒められた)帰ってその話を母にしたところ、「馬鹿!作品が売れたらギャラリーの利益にもなるんだから、用意するのが礼儀でしょ!」と怒られました。確かに〜……と思い急いでいくつかの作品を販売リストに入れました。反省。というのも実は今回、なんと無料でギャラリーをお貸しいただいているので…!(オーナーさんは「ウチ、商売っ気出したくないんですよ」と仰ってました)作品は全部でおおよそ15点あるのですが、場所が変わっても立派に役割を果たしてくれそうな作品たちを選んでリストに入れました。言い換えれば、売り物になりそうな作品。ただリストに入れる作品を選ぶのも少し心苦しかったです。愛着というか、自分の魂そのものが少しずつ入っているようなものなので… 今回初めて作品を公に売るということをしましたが、まだまだ市場で起きていることが腑に落ちていません。今回は個人レベルに近いやりとりだったので贈与的な気分で売買を行いましたが、これがアートマーケットの規模になったらと考えると少し怖いです。こういうところは頭が硬いのかな…でもお金は欲しいな… まだまだアートマーケットのことは学ぶことが多いです。
総評
個展開催中は毎日が非常に濃密で刺激的でした。来場した方からのフィードバック・自分なりの反省点諸々、さらなる発展の種となりそうです。本当はもっと長い記事になると思ったのですが、心がもう先に先に進もうとしているのでここで終えることになります。