思わぬ再会と、コトバグラムの秘密にしていたゲームデザイン
コトバグラムを最近遊んでくれた人が、今まで言ってなかったゲームデザインに気付いてくれて嬉しかったので、それについてのnoteです。
コトバグラムは、言葉の重さで遊ぶパーティゲーム。あるセリフをあるヒトに言うとき、どのくらいの重さで言えるかを当てっこします。
たとえば、「1万円貸して」と「友達」に言う、というお題が出たとします。親プレイヤーは手札の重さカード4枚、軽い・軽め・重め・重い(それぞれ、言いやすい・言える・言いづらい・言いたくない、という感じ)の中から1枚を選んで伏せます。他のプレイヤーは「何のために借りるの?」などと質問をして、どのカードを出したかを当てるのです。
面白いのは、同じセリフでも相手が「父」になったり「妹」になったり、「異性の友達」だと回答が全然変わるところ。もちろんプレイヤーの組み合わせによっても変わるでしょう。友達の意外な一面が知れたりするゲームです。
重さカードが4枚である理由
そんなコトバグラムの、一年越しに気付かれたゲームデザインは、言葉の重さを表す重さカードの枚数です。軽い・軽め・重め・重いの4枚になっています。
なぜ4枚にしたか、それは真ん中を作りたくなかったからです。この発想のもとは大学時代に制作に携わっていた「マイルストーン」という雑誌にあります。
マイルストーンは早稲田大学の授業情報・評価アンケートを学生から集めて掲載する雑誌、俗に言う裏シラバスというやつです。これを読んで不真面目な早大生は、楽に単位が取れる授業はどれかを探します。
僕はマイルストーンをつくるサークルの中でもサボりがちな方だったので、授業情報の編集作業(超大変)から逃走していましたが、その編集方針だけは聞いていました。
コトバグラムの参考になったのはその中の一つ、評価アンケートの取り方にありました。それは授業の評価は4段階で取るというもの。
うちわけはとても悪い・悪い・良い・とても良いって感じだったと思います。真ん中がないので、かならずどちらかに寄ることになります。なぜそうしたかというと、そのほうが読み物として面白いんですよね。見事なやり方だと思いました。
だからそれに倣ってコトバグラムでも軽い・軽め・重め・重いの4段階にしました。もしかしたらお題が本当に重くも軽くもないときもあるかもしれないんですが、でもそれが回答として出たら、一緒に遊んでる人は面白くないんです。コトバグラムは純粋なエンターテイメントなので、正しさよりも面白さを優先します。面白さは正しさよりも正しい。
これに気付いてくれたのが、先日ボードゲーム会でご一緒したYさんでした。Yさんとは2年ぶりくらいだったんですが、会でお話をしているとなんと、マイルストーンをつくるサークルの10代くらい上のOBだと判明しました。そしてコトバグラムを遊んでいるときにアンケートの話になり、このデザインの話になったのでした。
こういう思わぬことがあるから、ゲームデザインもボードゲームもやめられないですね。
ナイスプレー!