Light Years(11): Anything You Need
それは本当に「ばったり」というオノマトペが相応しい瞬間だった。啓叔父さんの喫茶店を出て、その近くにあった古書店に立ち寄ったあと、裏路地から再びアーケード街に入った、まさにその瞬間である。二人の目の前に、見覚えのある顔が現れたのだ。
わりと最近会っている。というか、つい昨日も会ったし、なんなら一昨日もその前も。
「ごっ…ごきげんよう」
若干引きつった顔で強張った笑みをこちらに向ける、ベージュのワンピースをふわりと着こなした、フワフワ髪のその美少女は、フュージョン部のベーシ