Light Years(2):廃部通告
スマホで録音した練習の演奏を再生していて、ミチルがボリュームを上げようと古いステレオアンプに触れたその時に、それは起きた。ガリガリ、ブツン、という音がして、左チャンネルの音が出なくなったかと思うと、電源が切れたのだ。スタンバイのランプはついている。
「なにこれ」
「いよいよこの老齢アンプもお迎えが来たか」
額のヘッドバンドの位置を直してミディアムロングストレートの髪を左右に分けながら、ジュナが冷徹に呟いた。このあいだ、部室を念入りに掃除して、乱雑な配線も見直したばかりであ