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RTA in Japan Winter 2024 「ロックマンX7」を走った感想
2024年の年末に開催されたRTAイベント「RTA in Japan Winter 2024」にロックマンX7の100%カテゴリを走りました。
YouTube版
https://www.youtube.com/watch?v=p20B4IcIi1A&t=3885s
Twitch版
https://www.twitch.tv/videos/2339513223?collection=hxyziP5PFBjv9w
今回はゲーム採用から本番で行ったこと、現地参加した12/29~12/30の様子と感想について話していきます。
採用に至るまで
2024年11/3にRTA in Japan Winter 2024の採用ゲームが発表され、私が応募した「ロックマンX7」が採用されました。
元々、ロックマンX7のRTAを大勢の場で走りたいという思いから応募していました。
ロックマンX7のRTAをするようになったきっかけは以下の記事にまとめてあるので、そちらも読んでいただけると幸いです。
応募したゲームはロックマンX7の100%のみで、100%の達成条件は全ての収集要素を集めてクリアするのですが、その収集要素は、
エックスのアーマーパーツ4つ
サブタンク(回復タンク)2つ、武器エネルギータンク1つ
ライフアップ(体力の上限を上げるアイテム)8つ
EXアイテム(コンティニューの初期数を増やすアイテム)1つ
要救助レプリロイド128人(各ステージ16人 ✕ 8ステージ)
特に5番目のレプリロイド全員救助が難関で、敵やギミックの攻撃に当たると死亡扱いとなって救助できなくなります。救助システム自体はステータスアップやエックスの復帰条件に関係するもので、全員救出による解放要素の無い、あくまでやり込み(移植版の「ロックマンXアニバーサリーコレクション2」ではトロフィーが貰える)要素でしたが、100%では一人も取り残さずに全員救出が必須です。敵の攻撃で救助対象が消滅するとその時点で達成不可能になるという点で非常に難しいカテゴリです。
RiJ初出場どころか、RTAイベント自体初めてでしたが、8月に開催されたRiJイベント「RTA in Japan Summer 2024」で高難易度ゲーム「ロックマンX6」の100%が出ていました。『続編で』『高難易度カテゴリの』ロックマンX7を走るのはこの時期がチャンスだと思い、勇気を出して応募しました。
選考期間中に練習を繰り返し、自己ベストを更新できたので、その結果を参考動画の差し替えで提出しました。2024年10月時点で2位の記録です。
開催までに行ったこと
採用されてから、本番に向けて練習を行いました。
自己ベスト記録でのチャートはリセットによる反復試行を想定した攻めのチャートなのですが、イベントでは一発勝負なので、100%が確実に達成できる安定チャートを構築する必要がありました。本番でも自己ベスト記録に対して、主にオープニングステージ終了後の3ステージの動きを安全な動きに変更して走りました。
安定チャート自体は作れたのですが、どちらかというと本番のための練習より、新記録狙いの通しばかりしていました。本番の時点で世界記録を持っていれば、自信につながり、記録関連の話もしやすくなると思ったからです。
結局、世界記録は取れず、本番でも忙しくてRTA記録の話をほとんどできませんでしたが…
それでもミスによる100%カテゴリの失敗やEST超過を避けるため、想定できるミスをチェックし、可能な限り対策の考案と実践を繰り返して本番に備えました。
12/29 - 現地入り
12/29の夜にRiJ会場のベルサール飯田橋ファーストに到着しました。
本当は昼頃に会場入りして観戦やラウンジ見物を行いたかったのですが、本番での解説用の台本が未完成だったため、宿泊所で急いで作って印刷していました…
到着が遅かったので会場とラウンジ見学は簡単に済ませ、スタッフからPCを借りてゲームのセットアップと練習を行いました。Steamでプレイするため、Steamのログインとゲームのインストール、コントローラーのセッティングを前日に行いました。普段の操作性と変わりが無いか、見せ所や難所を中心に練習をしました。
また、一人で解説するので、台本を参考にプレイしながらRTAの解説と要点が端的に言えるかの練習も行い、解説しにくい・分かりづらい箇所は適時修正を入れました。
普段話しながらRTAはしていないので、話すべき内容を特定の操作を行う時に相手にわかるように話すことは、とても大変でした。
午後9時30分頃までそのような練習をして、その後は明日に備えて宿泊所で一泊しました。
12/30 - 本番
最終調整
翌日、朝8時頃に再び会場へ行き、本番前の練習を行いました。走者用のPCは全部で6台ありますが、昨日練習で使用したものと同じPCが使えるようにスタッフが用意してくれていましたので、ログインし直すだけですぐに練習に入れました。
直前の「RockmanEXE. Transmission」が始まったので、練習部屋から会場へ移動しました。
会場内の走者卓と呼ばれる場所へ行き、配信で表示するゲームのキャプチャと流す音量の調整を行いました。キャプチャについては、移植版のアニバーサリーコレクションではゲーム画面の両端にイラストが配置された16:9の比率ですが、ゲーム部分の4:3だけを切り取ってキャプチャできるようにセットアップ担当の方が調整してくれました。音声についても、ヘッドホンでゲームとスタッフの指示両方が聞き取れる音量の調整と、マイク音量の調整を行いました。
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セットアップはスムーズに進み、完了時点で30分ほどの待機時間が残っていたので、最後の練習をしました。
本番
午前11時、ロックマンX7の100%RTAが始まりました。練習部屋にいる時は非常に緊張しており、この状態で走りと解説ができるのかと不安でしたが、配信が始まると緊張は自然と消え、自分のペースで操作と解説ができました。
多少のミスはありましたが、リスタートやリセットを迫られる大きなミスを起こさずに、100%を達成した状態でクリアまで走りきれました。
走り終えての感想
クリアした直後は、ものすごい達成感に包まれていました。リセット無しで100%クリアはもちろん、EST(予定タイム)の1時間23分より10分近く終わらせられていたのも良かったです。
会場で走って、会場内の観戦者の拍手を聞きながら走れたのは非常に臨場感がありました。ボスを倒した時やRTAテクニックが成功したときの拍手は暖かく嬉しかったです。
今回、私の後ろの席に座って観戦していた方の声がヘッドホンをした状態でも聞き取ることができ、その方たちの話や歓声を聞きながら走っていました。そのため、走っている間は見られていると言うより、一緒に見ながらプレイしているという感覚でいられたことが、緊張せずに安定して走れた要因だと思っています。
反省点・振り返り
本番は一人で操作と解説を同時に行ったため、話が途切れたり無言の区間が出たりといった所がありました。特に、100%の達成条件を話し忘れていたことが最大の反省点だったと思います。
解説を入れるにあたり、解説者を呼ぶ手段もありましたが、このゲームのRTA攻略法を詳しく説明できるのは私しかいなく、何より思い入れのあるロックマンX7の面白さや難所の攻略法を自分の言葉で言いたかったので、私が一人で解説をすることに決めていました。しかし、走りながら「相手がゲームを見ながら聞き取って理解できる」ような内容で解説することは台本ありでも難しく、解説しておきたかった所が説明不足になってしまった箇所がいくつかあり、台本をもっと早くから丁寧に作っておくべきでした。
他にも、普段話しながらゲームやRTAをしていないために、聞き取りづらい所や聞き間違いを誘発してしまう(「広いステージ」→「酷いステージ」と聞き間違えられた等)箇所があり、発声も練習でしっかり行うべきでした。本番当日は感染対策から気密性の高いマスクを着用していましたが、マスク越しでもはっきりと伝わる声量や聞き間違いを起こさせない言い回しをする必要がありました。
ただ、配信された動画のチャットやコメント欄には、そこまで否定的なことは書かれて無く、応援のコメントが多かったのは安心しました。ロックマンXシリーズなのでタイチョウ関連のネタが流れるのは避けられませんでしたが…
また、RTA in Japan はチャリティーイベントですが、コミュニティを活性化させるための場として、会場内のラウンジで走者・ゲームファン同士集まってゲームの体験会ブースや交流をする場所が設けられています。
今回は会場の滞在時間が短かったこともありますが、あまり他の走者と交流できなかったのは心残りでした。RTA関連の知識やコミュニティにはまだ浅く、些細な話題を作って色々な方と関わっておくべきでした。
終わりに
今回、イベント期間の後半からの参加でしたが、本番を行うにあたりスタッフの対応とセットアップの手際は良く、いくつかのトラブルが起きた中でも、私のときには特に問題なく走れるように準備していただいたことに感謝しています。
素晴らしい場を用意してくださり、ありがとうございました。
RTA in Japan Winter 2024お疲れ様でした。 6日目にロックマンX7を走り、無事100%カテゴリを達成しました。 会場の雰囲気はとても良く、本番前にあった緊張や不安も、出番が来ると自然と消え自分のペースで調子良く走ることができていたと思います。 素晴らしい機会をありがとうございました。 2025年もロックマンX7のRTA記録更新に向けたやり込みをはじめ、色々なことに挑戦していきます。 #RTAinJapan
— ZK (@zk0717.bsky.social) 2024-12-31T13:28:52.460Z
今回初めて経験したRTAイベントを期に、ゲームやRTA等のコミュニティにより興味を持ちました、これからはそうした中で積極的に関わり貢献していけるような活動をしていきたいと思います。2025年を迎えましたが、これからもこれから会う方もよろしくお願いします。
余談
ロックマンX7のRTA終了後、当日中に実家に帰らないといけなかったので、その場を後にしたのですが、折角東京に来たので、飯田橋から30分程の距離の浅草へ行き、雷門と浅草寺周辺を観光しました。
年末なので、観光客が多く、着物を着てお参りしている人も見かけました。
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あと、雷門通りの和菓子屋「亀十」のどら焼きをお土産として買って帰りました。以前に両親からのお土産で食べたことがあり、生地がふわふわで美味しいんですよね。