無惨様、血鬼術をください。
欲しい。血鬼術が欲しい。
血鬼術…漫画「鬼滅の刃」(吾峠呼世晴先生)に登場する鬼が持つ異能力。
今秋、映画も公開された「無限列車編」に敵として現れる、十二鬼月、下弦の壱、魘夢(えんむ)。
その魘夢が使う血鬼術こそ、今、まさに欲してやまない、強制昏倒催眠の囁き(きょうせいこんとうさいみんのささやき)。
左手についた口から発せられる言葉を聞いた者は強制的に眠りにつく。
言葉が耳に入った瞬間、自分の意思とは無関係に、スッと。
無惨様、血鬼術をください。
鬼にはなりたくありません。
土下座して震える。
そんなことを言った瞬間、無惨様に意見した私は首をはねられている。
痛い。目の前が真っ赤に染まる。
ただ、どうしても欲しい。
血鬼術は本来、鬼が独自で作る能力。
けど私は、たまに鬼のようになるとはいえ、普段は人間で、自力では編み出せなかったのです。
血鬼術を、強制昏倒催眠の囁きをください。
魘夢みたいに悪夢を見せたりしない。
廃人にして人を操ったりしない。
夢から覚めるときだって、やさしい声で促すよ。
悪用はしません。
ただただ、今、23時に、ベッドの上でエアおままごとをしたり、でんぐり返りをしたり、私の顔にブウウと息を吹きかけて遊んでいる3歳の娘の耳元に、左手を差し出してこう呟くだけ。
「お眠りィィ」
欲しい。血鬼術が欲しい。
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