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辻村深月さん×講談社文庫=伏線旅行
講談社文庫の辻村深月さんの本たち、ご存じですか。
知ってるよ、という人の多くの本棚にはどんと15~20冊分の水色のスペースがあるんじゃないかと予想。
だって、あれは途中でやめられない。
私は島から入りました。面白いぞ、他のも読んでみようと思って、気が付いたときには私は一つの世界を知っていた。びっくりするやら嬉しいやら。
世界の中の、ある場所のある時代をすくい上げて、望遠鏡で覗いた。
それぞれに生活や人生があって、場所や時が違えばその様子全く違っているようで、でも同じ何かを知っていることで繋がっている。
そこに救いを感じた。
各地点を覗いているときはどっぷりそこに浸るのに、ふとしたときに世界を俯瞰して微笑んでしまう。辻村さんの2つのギフト。
伏線の世界旅行は楽しすぎて、最後の場所に行けません。あと1冊が読めない、買えない、何なら買いたくない。全部読まなくても世界は成り立つから、いつまでたっても最後の1冊に手が出せないという始末。
そうそう、1冊や一部だけを読んでもちゃんと面白いですよ、それがずるい。そして2冊以上を読むとやっぱり全部読んでしまうはず。
手に取る本の順番によって出合いや気づきが変化するから、これから読む人は直感で選んでほしい。そういう私は2冊目からは帯のおすすめをたどりました。
どんな順番でも、どれも奇跡的で素敵な出合いになっちゃうのが、この世界のまたずるいところ。