ヒーローズジャーニー
本日は『ヒーローズジャーニー』というテーマです。
そもそもヒーローズジャーニーとは心理学に基づいた”ストーリー作りのフォーマット”のことで、ハリウッド映画などで用いられる鉄板の雛形です。
いやいやいや、ストーリー作りとか興味ないから!と大半の方が思われたかもしれませんが、しかしこれが結構役に立つんですよ。
『ヒーローズジャーニー』というタイトルから想像できる通り、ベースは”英雄になるまで”のシナリオです。
そこで、まずキーとなる役割が8種類必要なのですが、ここでは割愛して重要な3種類だけ紹介します。
1つ目は「ヒーロー」です。
当然主人公がいないと物語は始まらないので、英雄になる人物として必要不可欠な存在です。
2つ目は「メンター」です。
ビジネスの世界でも同じ言葉を使われることがあると思いますが、意味合いとしては同じで”ヒーローを導く存在”です。
3つ目は「シャドウ」です。
いわゆるヒーローの行手を阻む敵です。
例えばスターウォーズなら「ヒーロー/ルーク」「メンター/ヨーダ」「シャドウ/ダースベイダー」
ハリーポッターなら「ヒーロー/ハリー」「メンター/ダンブルドア」「シャドウ/ヴォルデモート」
千と千尋の神隠しなら「ヒーロー/千尋」「メンター/ハク」「シャドウ/カオナシ」
のように、全ての物語でこの3つの配役は重要且つ中心的な存在となります。
ここで、このヒーローズジャーニーの最も重要なテーマをご説明します。
それは「一番強かったり優秀だったりする者がヒーローではない」ということです。
ルークよりヨーダの方が強いし、ハリーよりダンブルドアの方が博識だし、千尋よりハクの方が大人です。
じゃあヒーローの存在価値とはなんなのか?それは『最も成長率が大きい人物である』ということです。
つまり、ヒーローズジャーニーとは『凡人がヒーローになるまでの成長を描いた物語』であり、このサクセスストーリーが世界中で作られている映画や小説の雛形となっています。
次にストーリー作りですが、ヒーローズジャーニーのストーリーは至ってシンプルです。
場面は基本的に「日常」→「試練」→「帰還」の3部構成で、この筋書きに沿って話を展開していきます。
まずは「日常」から。
これは言葉の意味合い通り、ヒーローが凡人として生活している状態で”変化のない幸せ”を表現しています。
ハリーとロンとハーマイオニーが学校で授業受けているような感じです。
そこからなんらかのきっかけを経て「試練」に突入していきます。
試練の世界は”非日常”と表現されており、日常の幸せは剥ぎ取られヒーローは窮地に立たされます。
そこでメンターがヒーローを導き”ヒーローの成長”を支援します。
ダンブルドアがハリーに知恵を授けたり修行をつけるようなイメージ。
そして、身体的に成長したヒーローがシャドウを倒して日常に「帰還」します。ハリーがヴォルデモートの手下を倒してロンやハーマイオニーと再開できた感じ。
この時、ヒーローは冒頭の”日常の幸せ”を取り戻すのですが、試練を経て「やっぱり3人の絆が一番大切だ!」みたいな感じで、身体的な成長を通して精神的にも成長もしている。というのがヒーローズジャーニーの概要です。
僕はこの概念を人生にも当てはめれると思っています。
誰しも”変化のない日常”に幸せを感じます。
しかし今回のコロナや休業が象徴しているように、その幸せを守るためには”力”が必要です。
体力・経済力・精神力など、足りない”力”は山ほどあります。
そのために「試練」を乗り越えなきゃいけない。
メンター(上司や仲間)の力を借り、シャドウ(課題や目標)を倒さなきゃいけない。
そうやって”力”を付けた人物だけが「帰還」した先で、また”変化のない日常”を継続することができるのです。
ヒーローは皆、自らが望んで「試練」の道を選びます。
中には「試練」に巻き込まれる人物もいますが、ヒーローになる人物はその運命を受け入れて「試練」を乗り越えようとします。
「試練」の最中で吐く弱音は誰のためにもなりません。
ヨーダもダンブルドアもハクも、ヒーローが勇敢だったから手を差し伸べたわけで、覚悟が決まってない人物はヒーローになれません。
何も「試練」の道を進まなくても生きていくことはできます。
ただし、そういう人物もまたヒーローにはなれません。
あなたの人生をどんなストーリーにするか。
それはあなた次第。
ヒーローズジャーニーが人の心を打つ作品の雛形である理由は、そこに人生そのものが描かれているからであると僕は思っています。
そして、何度も「試練」を乗り越えて日常を、”力”を磨いた人物のみが、真のヒーローとなり幸せな日常を手にすることができると思います。