見出し画像

3分De論文【高齢者の嚥下機能維持のためにベッドから離れて過ごす時間】

みなさん、こんにちは。
論文を読んで勉強したいけど、忙しくてなかなか出来なという方の味方、時短言語聴覚士STサクです。
今日も3分でこの論文を説明します。
では、今日の論文はこちら↓↓

高齢者の嚥下機能維持のためにベッドから離れて過ごす時間

https://karger.com/ger/article/69/1/37/841552/Time-Spent-Away-from-Bed-to-Maintain-Swallowing

概要

加齢に伴い、嚥下機能の低下やサルコペニアのリスクが高まります。特に、活動量が低下しやすい要介護高齢者では、これらの問題が深刻化しやすいため、日常生活における対策が重要となります。本論文では、要介護高齢者を対象に、ベッドから離れて過ごす時間(以下、離床時間)と全身の筋肉量、および嚥下機能との関連を調査しています。

方法

東京医科歯科大学にて、2018年9月から2020年3月の間に在宅医療を受けている65歳以上の要介護高齢者90名を対象に、離床時間の違う3つのグループに分け、四肢骨格筋、体幹の筋量、嚥下機能との関係を調査しましています。

離床時間については、1週間のうち最も多かった時間を以下の3つのグループに分類しました。

  • 4時間未満(短時間群)

  • 4時間以上6時間未満(中間群)

  • 6時間以上(長時間群)

結果

要介護高齢者において、離床時間が4時間以上の場合、四肢骨格筋量と嚥下機能の維持に関連している可能性が示唆されました。 さらに、離床時間が6時間以上の場合には、四肢骨格筋量に加えて体幹筋量と嚥下機能の維持にも関連している可能性が示唆されました。

まとめ

ADLの低い高齢者が1日に4時間以上ベッドから離れて過ごすと、四肢骨格筋量と特定の嚥下機能が維持される可能性があることが示唆されました。 さらに、ADLの低い高齢者が1日に6時間以上ベッドから離れて過ごすと、体幹の筋肉量と嚥下機能が良好に維持されることがわかりました。したがって、嚥下機能を維持するための運動が困難なADLの低い高齢者の場合、4時間、可能であれば6時間、ベッドから離れて過ごすことで、全身の筋肉量と嚥下機能を維持するのに役立つと考えられます。

終わりに

いかがでしたでしょうか?
私も、利用者様に「なるべくベットに横にならないで、起きている時間を増やしたほうが良いですよ~」と説明することは多々あります。
その際に、このような根拠を自分の中に持っておくと説明に説得力が出るような気がします。
また、利用者様もやみくもに起きている時間を増やすより、4時間や6時間など基準や目標があったほうが、モチベーションも上がると思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
最後に、宣伝となりますがメルカリショップにて、絵カードなどを販売しております。カラーで見やすくなっておりますので、ぜひご覧になて下さい。

ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?