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赤字の第3セクターが必要な訳
マグネット商品やトラフィックビルダー、ロスリーダーという言葉を聞いたことがありますか?これは小売店舗内での集客の役割を持つ商品を指す言葉です。
コンビニエンスストアでいうところの「おにぎり」や「お弁当」、スーパーマーケットなら1パック100円で安売りされている卵などがこれにあたります。
原価ギリギリ、もしくは赤字でもお客さんがほかの商品を買ってくれれば、マーケット・バスケット全体では元が取れるというわけです。
マグネット商品やトラフィックビルダー、ロスリーダーはなにも商品だけではありません。
ここからは私の地元にほど近い街にある、商業施設であり、第3セクターでもある少し変わったマグネット商品を紹介します。
その施設は青森県 大鰐町にある鰐COME(以下、ワニカム)という温泉です。 大鰐町は人口1万人に満たない小さな町ですがワニカムは町内外の人でいつもにぎわっています。(私も親に連れられて何度も足を運びました…)
内装ですが、熱めのお湯からぬるめのお湯に、薬湯・電気風呂・ジャグジー・露天風呂、さらにはサウナと水風呂もあり、温泉を出ると、数百人はゆったり過ごせそうな休憩スペースに食堂・お土産屋さんと、町のスケールとはアンバランスなことに驚きます。
しかしこのワニカムは、赤字らしいのです。(旅館経営者の方に直接インタビューさせていただきました)
ただこの赤字という情報だけで失敗のレッテルを張ってはいけません。 なぜ赤字にかかわらず、つぶれないのか? なぜ公費で穴埋めされているのか? それはワニカムがマグネット商品の役目を果たしているからです。
駅から道路をまたぐだけで行けるワニカムは、電車賃を発生させることもあるでしょうし、帰りにお土産を買うことも考えられますし、旅館に泊まっていく人もいます。
このように、温泉以外でお金を落としてくれるのでトータルでは利益を生み出す施設へとなるのです。
波及効果まで考えて初めてこの施設の役割がわかりましたね。
とにかくまったりしたい方にはおススメですよ、大鰐町