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詩「猫」




おまえの安らかな寝顔を見ていると
私たちの今日一日は
取り敢えず平和なのだと思う
名前を呼ぶと返事をするかわりに
尻尾を二度三度振って見せる
いつの間にか横着も覚えたんだね

快楽を貪ること
それがおまえの仕事
広げた新聞にゴロリと横たわり
「私を忘れないで」とばかり
人の顔を見上げる
いつだっておまえは自分本位
その身勝手さが可愛い

おまえはなぜ猫に生まれてきたの
食べるため
眠るため

それとも
明日を思い煩う
不器用な私たちを慰めるためか





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