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詩「湯豆腐」



喜びにあふれた思い出だけで、
心が満たされたらいいのに。
と、君が呟く。

喜びの隣に悲しみが寄り添うには、
喜びを際立たせるためなのかな。
と、僕が応える。

この悲しみの向こうに、
どんな喜びが待っているのだろう。
それとも、そこにあるのは、
新たな悲しみなのかな。

僕たちは、その問いの前に、押し黙る。

しばしの沈黙のあとで、君が訊く。
今晩なにが食べたい?
湯豆腐! と僕。
私も食べたかった! と君。

僕たちが考えていることは、
同じことなのかも知れない。



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湯豆腐。
このシンプルな鍋料理が大好きです。
冬場にはかかせません。
湯豆腐に限らず、食べたいものが妻と
一致したとき、ささやかな喜びを感じ
ます。








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