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10年お世話になった美容師さんの元を去った話

今住んでいる場所は、地元ではない。
夫の転勤で引っ越してきて、もう11年近くになる。

全く知らない土地、赤ん坊だった息子、慣れない環境。
生活に必要な最低限の店や施設はすぐに見つけてなんとかなっていたが、ひとつだけ困っていた。

美容室である。

髪は放っておけば、どんどん伸びる。

でも、初めての美容室に電話するのって、結構勇気がいるじゃない?

だから後回しにしていたが、さすがにもう限界。
意を決して予約を入れた。


選んだのは、隣町のショッピングモール内にある美容室。

夫が息子を見てくれる休日に行き、帰りにモールをぶらぶらする。
そんな小さな楽しみもあった。

ドキドキしながらの初めて訪れたその日、担当してくれたのが、ここから10年お世話になる美容師さんだった。

私より少し若い、お姉さん。
ボサボサだった髪を綺麗に整えてくれて、話しやすく、感じもいい。

「ここに通おう」

そう決めた。


ところが2年後、美容師さんから、お店が閉店すると知らされる。

また新しい美容室を探さなきゃと思ったが、彼女は独立して新店舗を構える予定だと言う。

それなら、ついていこうか。

数か月後、新しいお店を訪れた。
そこから8年間、変わらずお世話になった。

ただ、新店舗は以前より遠くなり、車で30分ほどかかる。
通勤時間や休日など、渋滞する時間帯はさらに厳しい。

それでも、当時は専業主婦。
息子が幼稚園に入ってからは平日昼間に行けたので、特に問題はなかった。


ところが、2年ほど前から「あれ?」と思うことが増えた。

カットの要望を伝えても、「あまりいじらないほうがいい」と流される。
結果、いつもと同じ髪型に。

対応が雑になった?と感じることも。
話をしていても、受け答えが適当というか…。

ダイエットで痩せて顔つきが変わったのも影響してか、仕上がりもなんとなく老けて見える。

「うーん?」と悩みながら通っていたが、決定打は1年前。


仕事を始めたばかりの頃、急な用事で予約を変更したときのこと。

枠が空いているのは仕事終わりの夕方だけ。
私もなかなか都合の良い日がなかったため、仕方なくそこに入れた。

当日、仕事を終えて直行するも、帰宅ラッシュに巻き込まれ15分遅刻。
カットはしてもらえたが、まだおさまらない渋滞の中を帰り、クタクタの状態。

先に帰っていた夫が夕飯を作り、息子と一緒に済ませた後だった。

そして洗面台の鏡に映った、髪は整ってるけど、ひどく疲れた顔の自分。

これ、もう無理だ」。

長年通っていたことでの、マンネリも重なった。
このまま通い続けるのは、もうしんどい。


美容室を変えよう



職場の先輩に相談すると、「近くに新しい美容室ができたよ」と教えてくれた。
「あなたの家から10分もかからないし、ホットペッパーで予約できるみたいだから、見てみたら?」と。

早速ホットペッパーをインストール。
確認し、予約を入れた。

新しい美容室は新鮮で、心が躍った。

担当の美容師さんも、私の希望をしっかり聞いてくれて、今の自分に合う髪型に仕上げてくれた。

以前の美容室と比べて近いから、気楽に行ける。
アプリで、いつでも好きに予約ができる。
料金も、以前より3分の2くらい安くなった。
キャッシュレス決済が可能だから、現金を持ち歩かなくていい。

今の私にぴったりの美容室に出会えた。


「数年おきに、美容室を変えるのがいいのかもね」

相談した先輩とも、そう話していた。

長く通うと、良くも悪くも慣れが生じる。
そして、ライフスタイルが変われば、自分に合う美容室も変わる。

変に義理を感じて、居座る必要はない。

この前、去った美容室の電話番号とポイントカードを整理した。

一区切りのつもりで、この記事を書いた。