【成功の反対は失敗ではなく何もしないこと】


 はじまりは『学び合い』から、今日は理科のテストがあったため、実験で黒板に「8:10になったら、全員が理科のテスト勉強をする」と書いてみた。
 なかなかに落ち着かないクラスなので、朝は自分たちで時間になったらふらっと座れるようになったらなあと見ている。だから自分たちで座れるように、自分たちで読書ができるようにとかを設定することが多い。
 
 でもなんか昨日再出発して、肌感でいけそうだなと感じたので実験してみた。

 チャイム前に朝のミッションに気づいたのが4名。
 近いコミュニティーの分のプリントも持っていき、少し広まり出した。チャイムがなると「あ〜今日は理科のテスト勉強か、だって!みんな!」とそれとなく大きめな声で呟く児童がいた。それに反応し、9割の児童が朝から学び始めた。

 ものすごく流動的。

 男子も女子も混ざり合う。

 固定しているところにも、あらゆる特定じゃない人たちが入り込んではぬけ、入り込んではぬけ。という感じで、あらゆる人たちが、あらゆる人と関わり合っている。

 「なんでかって言うとね」「これはなんでこの答えにになるのか答えてみて」と言うような分かるための対話もある。
 分かったら立ち去り、1人で考える仲間のところにいく。

 ものすごく素敵な時間であった。

 丸をつけてみたら、やっぱり点数は高かった。

 朝の学習が終わった後の朝の会で、

 みんなの力を貸してください。ルールにしても判断にしても行動にしても、全員でより良くしていこうと。集団として一歩でも成長しようと。固定的ではなくいろいろな人がいろいろな人に声をかけ続けること。それを繰り返すことこそ支えると言うことだと思うし、1人も見捨てないってことだと思う。全員でいいクラスにしていこう。と語った。

 

 その後国語も算数も『学び合い』があったが、どちらもいい感じであった。

 「分かる」ための会話が増えたところが良くなった点。
 「なんでそうなるか説明してみて?」「この問題を解いてみて!」と言うようなやりとりが増えている。
 増えているってことがすごく大事で、少数より、増えればいい。それがまた少し増えればいいのだ。

 だから嬉しい変化であった。

 もう一点は、「やろう!!ねえ、やりなよ!!」言える女の子が出てきたこと。学力は正直高くはないかもしれない。でも動いて、分かる仲間に聞いて、そしてサボってしまう仲間に声をかけた。1人も見捨てない価値を理解している。

 今まで『学び合い』で経営してきた4年間でしっかり伝えられる女子の存在が常にあった。
 引っ張っていく存在。
 今のクラスは女子9人。男子19人。
 なかなかはっきり言える女子が出づらい状況だった。それが今日、少しだったけれど変化の片鱗が見えたのだ。

 とっても嬉しく思う。

 また、マグネットやらなんやらも自分たちで準備するようにあっている。まだの人を「分かっていない人」「終わっていない人」ではなく、「考えている人」という言葉選びが、1人も見捨てない『学び合い』の考え方が伝わっていることを感じさせる。

 今日のメインは、「6年生を送るかい第一回リハーサル」である。先週の金曜日に、自分たちで2月17日の金曜日にリハをしようということを決めて、今日をむかえた。

 リハをする前に全体の流れを全員で共有。当日の業間までに飾りをしなければいけないことが確認された。
 会は3月8日。
 飾りをつけるにあたって、朝礼台・サッカーゴール・6年生教室を飾ることを計画しているが、朝礼台やゴールは朝のうちにやれるとして、6年生教室はどうやって片付ける??ということを話し始めた。
 すると「前日の6時間目に6年生には体育をしてもらって、その間に仕掛けたら?」というアイディアが出た!!実に面白い!!でもそれには6年生の先生に協力を経ることが必要。「ちょっと交渉してみよう!」ということになった!
 まだそこまでには至っていないけれど、喜ばせるためにどうすればいいかなっと考える感が素敵だ。

 そして、いざ外に行ってリハーサルを行った。

 がしかし、グダグダ中のグダグダだ。

 でもそんなもんだと思っていたので、「どうやっていくんだろうな〜」と思いながら眺めていた。

 まずは整列できない。
 
 自分がどこにいればいいのかも把握していない。
 必死に並ばせようとする仲間もいる。「縦割り班ごと!ここが1班で、ここが・・・」と一生懸命説明しているが、多くは聞いていない。でも少しずつ並び始める児童が出てきて、その習慣をフィードバックしてくと、多くが並び座ることができた。

 全体を自分たちで動かす難しさを感じてくれたと思う。

 その後、司会進行の合図で進むが、役割が決まっていないことが明確になる。

 引っ張っていく児童、それになんとなく乗れる児童がいる中、多くが話を聞いていないし、勝手なことをしているしな状態。

 最後は花のアーチをつくるために隊形が変わる。
 そこが難所。
 「こっちに集まって!」
 「並んで!」
 「マイクのところから、」
 「聞いてください!」
 「並んでください!」
 たくさんの声が飛び交うが多くが無関心。
 全くもって並べない。全体イメージが共有されていないから、なおさら動けないのだ。

 今までの準備不足を身をもって感じたグダグダにして僕的には最高のリハ1回目だった。

 教室に戻って即リフレクション。

 「雰囲気が整っていない」
 「喋っていたり、聞いていなかったりする」
 「真剣さがない」
 「進行の役割が決まっていない」
 「なかなかはじまらない」
 「集まれなかったのは、集まり方が不明確だったのもあるし、集まろうともしていなかった」
 「アーチもどこにどこから並ぶか不明確」など、

 僕がメモしたまんま、ほとんど変わりなものが子どもたちのリフレクションからでてきて驚いた。

 引っ張っている子たちからすると、感じることは同じなのだ。
 
 そして改善策の話題に。聞いていないことに関しては、全員の協力が必要。気持ちが乗るも乗らないもあるけれど、最低限「黙って。聞いて。行動する。」はやろうということに。

 最初の並び方の不明確さについては、「みんなでも困り果てたのに、1・2年生だったらもっとパニックじゃない?」なんてことを言うと、「表示を作ればひと目でわかるんじゃない?呼ぶっていうか連れてくればいんじゃない?」とアイディアが。

 本当に子どもたちの力はすごい。

 そして花のアーチに関しては、「どうしたら、ここに並ぶんだな!!って分かる?」と聞くと、「線!!線があれば並べるよ!!」「事前に知らせておく必要があるんじゃない?」というアイディアが。

 やっぱり子どもの力はすごい。

 なんとう分析力。

 多くはグダグダで残念がっていたけれど、僕としては得るものしかない最高のリハだったよ。

 この失敗があるから改善できる。

 成功の反対は失敗ではなくて、何もしないこと。こうやって挑戦したことで、成功のためのデータが集まった。

 理論上失敗なんて存在しないことを身をもって感じる経験となっていればと思う。

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