観光旅行は絶好のお仕事日和 〜東海道編 前編〜
前回の観光旅行の神戸編、大阪編、京都編を書いてから日は浅いが、皆さんはいかがお過ごしであろうか。
ちなみに、前回の神戸編、大阪編、京都編は読んでない方は文末のリンクから飛べるので、是非ご一読していただけたら幸いである。
前回の旅行でも書いたのだが、この観光旅行はじーながパーキンソン病が悪化する前に出かけた際の実話を紀行的に実際に仕事以外で撮った写真(例えば記録写真など)を主に使って綴るものである。
時は遡ること数年、前回の観光旅行(神戸、大阪、京都→それぞれ観光旅行シリーズを執筆済み)の翌年に行った東海道と中山道の弥次喜多珍道中である。その中でいかにじーなが(ちゃっかり)写真を撮ってるかを描いてもいる。
前回はサプライズでスポットを知らせていなかったが、今回の観光旅行は、呑兵衛さんに予め大まかな旅程を知らせてある車での旅行である。(事故を起こしたら大変だからだ。)
それから、今回の旅行は自宅のいつも所用で出かける方の車と違う車のため、窓ガラスがUVカット使用なので車窓からの風景写真は撮れないことをお断りしておく。(快適な車なのだが、そこが残念である。)
北海道から本州方面へ旅行へ出かける際は、現地の滞在時間を有効に使うために夜の便に乗り、現地での前日夜もしくは当日朝に到着する便に乗るのが我が家のセオリーなのだ。
そのセオリー通りに今回は東海道中膝栗毛をするがために、前日に苫小牧から大洗便に乗って出発!!
20:00に大洗港に前日入りということで余裕を持った日程のようだと思われた。
しかし、さて晩御飯をPAなり国道6号線沿いなりで食べるには、中途半端な時間についてしまったのだ。
「いやぁー、まいったな、飯どうする?」
「この後に及んでコンビニは無いよね。」
「なら、PAの営業時間に間に合うように願って行ってみるか。」
もう、エイヤー!って勢いで高速道路のICまでナビを務める。(機械と人間両方)
旅行ではないが、所用でフェリーの道中は慣れたものである。
多い時は年10回近く出かけたものだった。
かくして、無事にICに辿り着き、晩御飯の後で仮眠できそうなPAを発見。
よしよし、晩御飯も仮眠できそうな駐車場(要は人気のない所)もキープし、シートを倒してgood nightである。
_________ 夜中2時30分を回る頃 ____
アラームとともに目を覚ます。呑兵衛さんは酒パワーが無く起きられない。
一応、当日朝の扱いということで、出かける身支度を済ませ、ドライバーさんを起こす。
が、しかし、夫はまだ寝ててもいいじゃないか、的に一向に起きない。
そこで、日本橋の四つ立ちに間に合わないよ!!と一喝。
「うあ!!やばい、それは間に合わない。飯買ってる余裕ないじゃん。」
そりゃーそうだ。ご飯は四つ立ちなら走りながら食べるものだ。
ということで、常磐道から外環使って首都高へ。
朝のラッシュは避けたい。急げー!
朝4時を回るころ、やっと首都高に入る。
そこからが大変だ。降りたら迷子だ。ナビ使っててもわからん。
ということで、間違って降りたICで両国まで行ってやっと日本橋まで辿り着く。
これ、車が全然いない時間でよかった。まずは近くのコンビニでおにぎりを買う。
記念写真もそこそこに、見送る人もいないまま(そりゃそうだ)朝の四つ立ちということで道中の握り飯(ちゃんと1人2個)も確保して、いざ、出発!
いい?国道1号線なりに行けばいいんだよ?
「これ、真っ直ぐ行かせてもらえないじゃん。こっち空いてるって。」
いやいやいや、だからまずは東海道中膝栗毛もあるけど、お正月恒例のアレがあるでしょ。そのルートを優先に行くんだからね?
・・・「そういや箱根(駅伝)忘れてた。」
と、まぁ、水戸の後老公がうっかり八兵衛と道中共にする気持ちが分かる気がして、がっくり肩を落とすのであった。
とりあえず、道なり行くと左手に東京駅が見える。
新しくなってから一度も現地で見たことがない駅に夫が大興奮。
はいはい、真っ正面見たら更に鼻血出るかもよ。歴史好きなら。
「あ!大手門って実は国道1号線沿いかよ?!お堀は国道1号線沿いか!」
そうそう、そのリアクションいいね!ちなみに江戸城の現存する所も近くだったと思ったな。
じゃ、あとは道なりにGo!!
江戸の東海道早駆けのスタイルで、四つ立ちした後は握り飯を頬張りながら国道1号線なりに進む。
しかも、これはお正月にTVで必ず見る箱根駅伝の道である。道を走ることだけでも楽しい。景色をゆっくり楽しみながら渋滞が無い時間に東京を脱出。橋を渡る=川越のマナーで。
さあ、これからどんどん面白くなってくるかな?期待を胸にひたすら西へ。
横浜駅に近づいてくると、広い道路すぎて横を眺めるのもあぁ、めんどくさーいになった。
しかし、その時、
「横浜駅ついでに見てく?」なんて声がかかると、慌てて周りを見渡す。
あ!!! これってどこにどう行けば分かんないだけじゃない!!
1区から2区への鶴見中継所をすっ飛ばしてしまった!!
・・・ごめん、とりあえず、駅見てから2号線戻ろう。
本当にやらかしてしまった。ひたすら詫びる。
「まぁ、いいって。鶴見はいつも寝てて景色大して覚えてないし。」
ありがたい。次の平塚は確実に取り返そう。
弥次喜多ならではの味わい深い旅になりそうな予感がした。
横浜の雑踏を抜けてた後はひたすらバイパスは避けて国道1号線を直走る。
朝早くから車が結構いるもんだなーと思っていたら、いつの間にか権太坂だった。
何か証拠になる写真は無いかとカメラを待ち構えていたら、
上記のような記録として使える画像が無事撮れた。
はー、良かった。これで次の何かしらの名物が撮れたら良いな。
とホッと気を抜いてはいけない。次、次!
おや?もう戸塚じゃないか!早いなーと言いたくもなる。
そりゃそうか。倍以上の速さで走っているのだから。(信号で流れは止められるが)
しかし、中継所はどこだー!?と探すが見つからない。
ちょっとしゅん↓
探しているうちに3区の区間を過ぎていく。
途中に遊行寺坂や茅ヶ崎など有名スポットはあるものの、国道1号線なりに走っているとなかなか「これっ」て画像にならない。仕方なく、4区まで進んでいく。
平塚中継所のあたりはどこだ?ということになり、見回すがわからん。
うーん、中途半端な箱根駅伝を辿る道中になってきて気分はあまり良くなかった。
ただし、そのモチベーションを維持するのは箱根の登りになってくる、4区から5区にあった。
小田原に到着。当初、じーなの予定では7時着の予定が7時45分と遅れてしまったが、
とりあえず朝食をどこかで食べようという案を提案した。目星はつけてはいた。
しかし、「飯はさっき食ったばかりだろ?定食なんて食ったら、箱根降りた時に漁港で飯食えんぞ。」
一理ある。なら、どうする?
結論は至極簡単であった。
「小田原城でも見ようぜー!!(城マニア発揮中。)」
____ 来た、これだ。東海道中膝栗毛ときたら、城下で魚定食と決まってるのに。
ため息をついていると、彼はさっさとナビを使って小田原城の駐車場に停める。
しかし、開いてない。
弥次喜多の2人は散歩のふりをして、ぶらぶらとその辺を歩く。
「すいませーん、小田原城は何時から見られますか?」
などと、目ざとくその辺にいた管理人さんを捕まえる。
「8時からですよ。あらー、室蘭って北海道からわざわざありがとうございます。
今開けますねー。(親切すぎて涙出そう)」
あのー、なんで1発でご近所さんじゃなくて管理人さん(ほとんど私服)を捕まえちゃうの?
その行動力っていうか嗅覚は何なんだ。
たまたま、他の観光客の方も待ってらしたが、皆さん律儀でしたよ?
守りに関しては他に類を見ないとも言われた小田原城は、堀とか城の面積が現在ではすっかり減ってしまい、最後の砦の堀の中を残すのみとなってしまったようだ。
それでも、充分な広さを保っている。
雨が降りそうな湿気を帯びた曇天の中、城に入る。
朝のウォーキングと化してしまった城巡り。
なかなか、味わえない工事中の城であるが、やっぱりいささか残念であった。
小田原中継所も見たことだし、さあ行きますか!
(なかなかいつものように車窓からのフォトが撮れないのはご容赦。)
さぁー、これから景色は分かる道だ。
しかし、ウォーキングをしてしまったので2人揃ってお腹が空いてしまった。
(言わんこっちゃない。)
という訳で、本日2度目のコンビニに寄る。
「このまま行くと箱根降りたら飯の時間だよな。」
「そうだね、予定としては沼津あたりで漁港飯と行きたいね。」
「良いねー!よし、ここでは軽くお菓子とかで我慢しよう。」
じーなはラスクと暑かったのでソフトクリームを、夫はスナック系の何か(忘れた)
を買って、しばし作戦会議。
地図を見ながら、これから国道1号線のどちらをいくか決めた。
結果、レジェンドに浸るということで、新道は避けて旧道を走ることに。
覆道こそは対岸から覗くばかりだったが、ちゃんと踏切は通って、富士屋ホテルさんとか小涌園を眺めて大満足の道中であった。
芦ノ湖に着くと、国道1号線からちゃんとゴールしてのけた。
しかし、そこは他の車両がいて撮影するのはマナーが悪いと判断。
そそくさと1号線に戻って峠の頂上にある道の駅を目指す。
道の駅に到着。あー、疲れたー、、、
2人ともお腹は空いちゃいるものの、まずは休憩が先だ。
しかし混雑している上に天候もすぐれない。霧雨が降り出している。
おかげさまで、せっかくの仕事の写真が撮れそうなポイントなのに、写りが悪くて断念。
さて、十分休んだら行きますか!さーて今回の隠れテーマの「漁港めし」巡りですよー
(予め「食い道楽もあるよ」と伝えてある。)
登りの名物(?)箱根5区の景色に比べると殺風景にも思える、あっさりとした下りの景色。
(本当に普通の登坂車線がついている味気ない峠道なのだ。)
じーなは電池(人間も)温存のため、フォトの手を休めた。
「お前の大好きな峠のショットなのに、撮らないんだ。」
・・・この車では無理です。(と説明もする。)
仕方ない、漁港めしまでのナビに徹しよう。
途端に「めし美味そうな所あるかな?」
いや、だから調べながらのナビなんですって。(あたりはつけてある)
沼津到着!ついでに漁港めしもいいところに行けてラッキー!
ただ、この先は宿を取った清水駅前まで、ほぼノープラン。
某旅行雑誌には駿河湾の海の幸食べ放題なルートだからだ。
道の駅ごとに寄って味比べしてみるのもアリ。
(太りそうー)
結果、何も決めきれないまま、
「ホテル近辺の居酒屋に行けば地元の食材であるよね。」
で良くなってしまった。
では、眼にごちそうタイムといきましょうかー
清水の次郎長親分も泣ける雨の中で、三保の松原到着。
ここでも何も仕事用の画像が撮れず、親分と一緒に泣きたい気分。
夫もここでは流石に閉口。
せっかくの富士山が見えません。どころか、松林の先の海も見えません。
お土産屋さんで名物の今川焼きを食してお土産を買うと、いそいそと次へと急いだ。
お土産屋さんから出るやいなや見舞われた土砂降りの雨。
誰だー!日頃のお互いの悪い奴ー!
・・・2人揃ってお互いを指す。(まぁ、よくあるパターン)
仕方ない。次はとある小説で出てきた徳川家康公に因んだ神社、久能山東照宮へと足を向ける。
前年の旅行で行った、大阪城で大阪夏の陣から400年という事で、その年は徳川家康公400年祭があることを知ったからである。
現地に着く前に相当道に迷いはしたものの、その途中で日本平のサッカースタジアムを見かけたりして、これで清水エスパルス戦に行けると得した気分で現地入りする。
しかし、更に行いが悪かったのか、雨足がどんどん強くなる。
駐車場はロープウェイ乗り場のそばに何とか止められた。
閉館時間も近いのと、天候の悪さで他の観光客が帰ってしまったのだろう。
雨の中、傘1本でチケット売り場まで走る。
何とか入場は出来た。
これからロープウェイに乗れますか?
「うーん、あと数分で最後の便になりますが、天候が悪くて30分以内に戻れるのでしたらどうぞ。」
「お前、それでも行くのか?脚悪いのに戻れないと知らんぞ、置いてくからな。」
いいんです!走ってでも行きます!
久能山東照宮は日光東照宮と比べて認知度は低いかもしれないが、今回の旅のテーマにふさわしいから是が非でも乗らない訳にはいかない。(と、位置付けていた。)
「わー!すげー!!とんでもない所に神社造ったもんだな。四百年祭知ってたのかよ!」
・・・今更気づくのか!!昨年から夏の陣から400年記念とかで知る機会あったでしょ。
すっかり自称歴史好きの夫はボルテージが上がる。
土砂降りの雨の中、拝殿を目指し、階段を駆け上る。
(滑るのに。じーなは遅れてついていったが)
土砂降りの中で拝殿をぐるっと巡り、雨宿りしていると、
「俺、ちょっと一番奥の家康公の墓所とやらに行ってくる!いく?」
などと言い出す。ちょっとー!ロプウェイ間に合わなくなったらどーすんのよ!
ということで、じーなは雨宿りしながら待っている間に、走って往復してきたらしい。
今からなら、走って降りたらロープウェイに間に合うかも!
行けー!!(お子様は決して真似しないでください)
滑る階段を2人で駆け降りると、更に雨足が強まりバケツをひっくり返したような雨に変わる。
うひゃー!!もう全身どころか靴までずぶ濡れだー!!
・・・とまあ、慌ててロープウェイに飛び乗る。
残り3分の出来事であった。
車内を見回すと、我々2人の他に2、3人乗っている方がいた。
久能山東照宮の説明など、流暢に話してくださる。
どうやら我々は最後の客で職員の引き上げる便に乗ったらしい。
「雨の中、ご苦労様です。どこからいらっしゃいましたか?」
「実は、北海道の室蘭というところからなんですよー」
「それはそれはこんな悪天候の中、ありがとうございます。大変だったでしょう?」
「いやー、素晴らしい所ですが、雨が強くて参りました。」
車内ですっかり北海道の名所、名物など紹介の会話などで会話が弾みながら、あっという間に入り口まで辿り着く。
また来ます!それでは失礼しますー!
「お前、実はここが凄い所ってことも知ってたな??(ニヤリ)」
ふんふ〜ん、でないと、わざわざ大雨の中に来ないから。
とまあ、悪天候にて、時間があったら静岡市内にある駿府城址など巡りたかったが、急ぎ宿へと向かうことにした。
昼ご飯の漁港めし以来、大した観光らしき観光は悪天候に見舞われた2ヶ所しか回れなかった訳であるが、そこは我らの食い道楽ツアーという隠れて銘打った旅路であるからして、清水駅前の居酒屋さんのメニューに乞うご期待なのだった。
清水駅前の宿へ着くなりシャワーを浴びると、気分一新、いざ駅前の居酒屋さんへ!
土砂降りなのですぐ目の前にあるお店に飛び込むやいなや、地酒の銘酒と駿河湾の海の幸メニューをたんまり頼む。
・・・さて、明朝の焼津の漁港めしに期待するか。
と、つくづく空振りだった初日の東海道中であった。
_________ 続く。To be continued next day’s trip.