モヤモヤ狂騒曲。
今、歯医者に通院している。
詰めた歯がかなり痛くて、歯医者に行った。
その歯医者は、初めて行く病院。
定期的検診を受診していた歯医者ではなく、
思うところあって別の病院に替えた。
近所で新しくできた病院だったので、今までは通っていた。
前回、詰めている歯が中で折れていると言われ、
そこで治療することに突然不安を感じてしまった。
今の病院は、口コミ通りの歯医者。
私が初めていった日も、私と同じようにそれまでの病院に不安を感じた、
初診の患者さんが来ていた。
結局、口コミのいい病院に人が集まるから、
予約がとりにくくなるのかもしれない。
予約の取りやすい病院を、とはさすがに言えない。
ご飯屋さんであれば、口に合わなければ、二度と行かなければいい。
ただ病院となると、さすがにそうは言えないから、
技術のよい病院を選んでしまう。
昔から、歯を削る音には慣れない。
これは、100回以上献血しているのに、
刺される瞬間がみれないのと同じ感覚だ。
だからといって、歯医者に行くのが嫌いな訳ではない。
何か、ワクワクしてしまう。
歯の中でどんな治療をされているかわからない。
どんな器具(個人的に武器と呼んでいるが)で治療されるのか、
すごく気になってしょうがない。
横目で見える器具を見たりすると、気になってしょうがない。
毎回、「それは何に使うのですか」と聞きたくなる衝動を抑えるように、
歯の治療の痛さや怖さに身体が硬直して、衝動を抑えてくれている。
以前通っていた歯医者で、その日最後の患者だった時、
思わず聞いたことがある。
そこは、少し年配のご夫婦のされている歯医者。
おそらく今まで、武具いや器具について聞く患者はいなかったはず。
だからだろうか、いろいろと話された、それも留まることなく。
その日最後の患者だったから、時間を気にせず、小一時間話をした。
治療とは関係なく、器具について。
数年に一回ぐらいしか、治療はしない。
だから、治療するたびに、微妙に器具も変わる。
変わるから、知らないから、気になってしょうがない。
今の歯医者は歯医者衛生士さんが数名おられ、
患者さんも多くて忙しそうだから、聞きにくい。
聞けないから、余計に聞きたくなる。
周りに、歯医者の知人がいればいいのにと思ってしまう。
だったら、聞けてモヤモヤすることもなく、スッキリできる。
歯医者に行って、口の中はスッキリしたけれど、心がスッキリしない。
話せばスッキリできるのに。
昨日本屋さんに立ち寄って、どんな本が今出ているかを眺めていた。
すると、大好きな若松英輔さんの新刊が発刊されていた。
それも、これまた大好きな神谷美恵子さんの哲学を、
若松さんの言葉を通して、感じられる。
この上ない、歓びの一冊。
『「生きがい」と出会うために 神谷美恵子のいのちの哲学』
買うか、買うまいか。
今、手元には7冊積読中の本がある。
それも、読むのに苦労するヴェイユの本ばかり。
「今はまだ、買えない」「今はまだ買わない」
積読の本を読んでからにしようと思って、本屋を出た。
モヤモヤ感だけ手にして。本屋を出た。
美容院で髪を切ってもらい、お店を出てスッキリした瞬間、
突然その本屋に行って買うことに決めた。
手にして、嬉しくなった。
さて、どの本から読もうか。
いや、少し待て、新たなモヤモヤが生まれてしまった。
モヤモヤと格闘することを、実は愉しんでいるようだ。
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