つくった仕組みを活かす人を育むことこそ、本当は大切。
この文章は、5 年以上前の2013 年7 月に、以前使っていたブログに投稿した内容。今読み返すと、当時教育のソーシャルビジネスの起業を目指したこともあり、教育に対する想いが強かったと感じる。改めてnote 用に文章や言葉をリニューアルにしてみることに。
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(2013年当時)東電の地下水流出問題、カネボウの美白化粧問題から、思うところを綴っていく。
両社に共通するのは、タイミングだったと思う。「実態は把握していたが、裏付けるデータなどが十分でなく報告が遅れた。」と説明をしているが、人の生活や健康を害する場合は、問題の可能性が出た時点で伝えるべき。たとえ因果関係が明らかでなくても。
しかし、遅れたのはなぜだろうか。
ガバナンスだけの問題だろうか。
コーポレント・ガバナンスとは、「企業の不正行為の防止と競争力・収益力の向上を総合的にとらえ、長期的な企業価値の増大に向けた企業経営の仕組み」とある。
両社には本当にその仕組みがなかったのだろうか。
ガバナンスがあっても、それを認識し行動をとる組織文化や特に人材が育っていなかったからだと思う。ルールは誰でも作れる。しかし、作ったルールを守るのは人それぞれ。それを遵守するかどうかは、人の意識によって判断される。
ガバナンスとは違うが、身の回りの社会的なルールを守っているだろうか。
例えば、歩行者の信号無視。
目の前の信号が赤でも車がこないからといって横断することはないだろうか。私は基本、赤の場合は待ち続けている。多くの人が渡り、前からこちらに向かう人がほとんど。でも、一緒に待っている人もいる。渡ろうとして待っている私に気づいて、渡るのを止める人もいる。
私も先をどうしても急ぐ場合は、車をみて周りに子どもがいないかを確認してから、横断することもごくまれにあり、エラそうなことは言えない。けれど、できるだけ守っている。
私が守る理由の一番は、子どもが見ているかもしれないから。
私自身、小さい頃から大人の姿や振る舞いをみていた。そう、子どもは大人の姿をみて育っていく。大人がルールを守っていないのであれば、自分(子ども)も守らなくてもいいと思っても仕方がない。
親から叱られてつい、「お父さんやお母さんも、ルール(約束)守っていないことあるのに」と口ごたえ(?)すると、火に油をそそいで怒られる。
中には、こんな小さいことぐらいと言う人も多いだろう。ただ、目につく(止まる)のは、小さなことから。小さなことの積み重ねや、繰り返しが、問題意識を奪っていく。よくいう、「気づいたら・・・」は、この典型的な例。
実は、気づかなかった訳ではない。「これぐらい大丈夫かな」とかの判断が、問題を大きくさせていく。
ガバンナスなど作ることも会社としては必要だけど、ルールを守れる当たり前の人材を育成することが抜けている気がする。CSR研修などのツールは数多くある。私が以前勤めていた会社ではe ラーニング中心だったので、意味がないと思っていた。会社はルールやツールなどの環境さえ用意するだけで満足し、後は個人の責任に押しつける。
ルールを作ることも重要、それ以上に、ルールを理解して守る人づくりこそ大切。家庭、学校以外にも、私たち大人がルールを守るという態度、姿勢をみせることも、一つの教育。学校の先生だけでなく、社会で生活するひとりひとりが教育者だと思う。
責任を個人に押しつけるのではなく、チーム/会社/社会全体で分かち合うことの方が、実はいい仕組みにつながるケースが多い。実際今、そのような組織が生まれている。
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