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幸せなひと時と、暮らし続けたい。
毎年この時期、この一年買って読んでお薦めの本を紹介している。
今年は例年になく、買った本が35冊と少なかった。
(私の本棚は、こちら)
読む時間がなかったかといえば、そうかもしれない。
でも、読みたければ時間はいくらでも作れたはず。
どちらといえば、過去読んだ本を読み直していた気がする。
いや、気がするではなく、実際そうだった。
読んだ本の冊数は変わらないかもしれない。
何よりも、読みたい本よりも、読まなければならない本が多かった。
仕事関係で読みなれない類の本を、読む必要が多かった。
だからだろう。
読むモチベーションが高まらなかった。
そのうえ、読みなれない類の本の頁が、なかなか進まない。
めくる頁が重たかった。
集中して読もうとすると、睡魔で頁をめくり、
ふと目が覚めて読んだはずの頁をみると、頁の記憶がそこになかった。
それでも、今まで読まなかった類の本で、読んでよかった本を紹介したい。
そして、それが今年一番よかった本だった。
ちなみにこの本は、読みたいと強く思い、気になってしょうがなかった本。
フランスの哲学者のシモーヌ・ヴェイユの
『ヴェイユの言葉』
『神を待ちのぞむ』
誰の本で紹介されていたのか、定かではない。
おそらく、好きな作家たちがいろいろと引用していたから、
気になって買ったんだと思う。
正直にいえば、難しかった。
わかる部分とわからない部分があって、その間にジレンマを強く感じた。
難しいけど、ヴェイユの思想をふと感じると、より深く知りたくなった。
読むのが難しい本で、著者を知りたいと思ったのは久々でワクワクした。
そう、ヴェイユの言葉もそうだが、
それ以上に、彼女の生き方に強い関心がある。
私が好きな作家たちには、言葉がある前に、
生き方そして哲学がそこにまず在る。
生き方そして哲学の上に、心に訴える言葉が立ち顕れてくる。
なので、彼女の本を読み直す前に、
彼女について書かれた本を読もうと思っている。
それとともに、今読み直している本を読み続けるか、悩ましい。
年末の愉しみでもある、本棚の整理と掃除を終えた後、
本棚を見ると、読み直したい本が何冊もある。
この悩ましさに、なぜか幸せを感じるのはおかしいだろうか。
私にとって、本を読む時間は、この上ない幸せだ。
このひと時だけは、奪われたくなく、失いたくない。