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マネジメントの限界

私は近代の経営管理を、「経営を科学して管理すること」と考える。
 
この〝科学して〟が、マネジメント1.0では重要な鍵に、
 そして足かせになっている。

非科学ではなく科学であり、
 主観的ではなく客観的に測る(予測する)ことができること、
 論理的に説明(証明)ができること、そして管理統制ができることを、
 この〝科学して〟の一言で、強いメッセージ性で表現している。
 
この科学してのベースには、西洋哲学がある。

《 第一部 デザイン 》では、
 科学と非科学/西洋と東洋の違いについていろいろとふれてきた。
デザインだけでなく、
 マネジメントにおいてもこれらの違いを念頭に
 新しいマネジメントを思索していく必要がある。
 
ここで大切なことは、どちらが優れているかではなく、
 優れているのは何かを思索すること。
ここを取り違えてはいけない。
 
「近代経営管理を追い求めた結果、どのようになったのか。」
 
今私たちが住んでいる世界を見渡せば、
 追い求めた結果は十分にわかるはず。

会社だけでなく社会全体が息苦しくなり、
 息が詰まるような閉塞感で覆われるようになった。
 
科学を求め過ぎた結果、自然などの非科学にあたる領域が希薄になり、
 息苦しく息が詰まるようになった。
ため息を吐くばかりで、息を吸うこともできなくなった。

社会全体が一種の呼吸困難な状態に陥った。
心のバランスを崩す人や組織が、増えてきた。
 
もう、科学だけのマネジメントは限界にきている。
これ以上科学だけのマネジメントを実行していくと、
 取り返しのつかない状況にまできている。

科学にプラスαとなる〝何か〟が、
 これからのマネジメントに必要になった。

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