(マネジメント⑬)新しい組織のカタチ ~番外編(日本にあった古い組織)
今まで新しい組織の形態をいろいろみてきたが、これらは海外の研究者が提唱している話ばかり。ふと、日本にも参考になる組織がないのか気になり探してみることに。それは、Teal組織の最後にふれたプラスαのキーワードの中に、“日本らしい” 表現がいくつかあったから。その答えは、『中空構造日本の深層』にあった。
天皇は第一人者ではあるが、権力者ではない、という不思議な在り様が、日本全体の平和の維持にうまく作用してきていることが認められるのである。
( P68より )
日本は古代より天皇を中心に、豪族、貴族そして武家が支えてきた。特に地方の有力な権力者が、政権を支えていた。時には叛逆することもあったが、天皇になり替わったことはない(なり替わろうとしたことはあるらしいが)。
身分という階層がある社会であったが、大きな争い(戦争)は西洋に比べれば著しく少なかった。明らかな越えられない階層があり支配関係もあったにも関わらず、長い歴史でみると社会は平和だった。
戦争が少なかった理由はいろいろ考えられるが、西洋社会とは大きく異なる日本独特の組織構造にある気がふとした。
マネジメント2.0では階層がないことを前提に考えてきたが、すべての組織から階層がなくなるとは決して思わない。階層がなくなることを拒む人たちもいるので、ゆるやかに変えていくしかない。いきなり変えると反発が大きく、結果として時間がかかる。
階層があっても管理統制はあまりなく自由のある組織の姿が、日本の組織の変遷の中に隠されているのではないだろうか。もっといえば、日本の文化の中にあるのではないだろうか。
今の日本の組織、特にビジネスの組織構造は、西洋のマネジメントとともにやってきてマネをしてきた。日本古来の組織は、上書きされた。
「何が、上書きされたのか。」
なりたかった歴史学者(考古学者)になった気持ちで、大好きな歴史をもう一度勉強し直して、思索・探究を続けていきたい。そして、いつか纏めてみたい。