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2023年のトレンドデザイン調査結果発表!~1年間のトレンド傾向を深掘り~
2023年注目したトレンドデザイン10選&トレンドの傾向を振り返ります!
みなさん、明けましておめでとうございます!
グラフィックデザイナーからUIUXデザイナーを目指し勉強中のZIN(じん)と申します。
新年一発目の記事では、「2023年トレンドデザインの振り返り」をさせて頂こうと思います!
普段から気になるデザインを収集しており、2023年もたくさんの素敵なデザインと出会いましたが、その中でも印象に残ったデザイン10選をご紹介します。また、1年間のトレンド傾向を、個人的な視点で深掘りしてみました!
皆様の創作のヒントになることがあれば幸いです。
※一部は2023年以前のものも含まれるかもしれませんが、主に2023年に出会ったデザインをピックアップしています。選定は私自身の主観に基づくものですので、ご了承ください。🙏💦
【はじめに-トレンドデザイン調査の概要】
◾️そもそも、なぜトレンドを知る必要があるのか?
トレンドを調査することは、現代のデザイン業界においてとても重要です。近年消費者の好みや市場の動向が絶えず変化しているため、最新トレンドへの敏感さは、企業やデザイナーに競争上の優位性を与える要素になります。トレンドを理解し、それをデザインに反映させることで、より魅力的で時代に即した製品やサービスを提供できるのです。
トレンドに追随しすぎることで、時には「クライアントの意向」や「ユーザー視点」から外れてしまう危険性があることを忘れてはいけません。しかし、適切にバランスを取りつつトレンドデザインを取り入れることは、デザインの幅や表現力を大きく広げることに寄与するでしょう。
◾️トレンドデザインの調査場所
トレンドの調査場所は基本的に以下の3つになります。
【その1】街中、特に駅構内の広告:
駅構内の広告は、大手広告代理店が手がける力の入ったキャンペーンが多く、最新のデザイントレンドを映し出す貴重な鏡です。多くの人が目にする駅構内の広告は、新鮮で魅力的なビジュアルを使用し、色使いやフォント、イメージ選択で最新トレンドを取り入れています。また、インターネットと異なり広告には掲載期間が設定されているため、リアルタイムのトレンドを把握するのに最適です。
【その2】ギャラリーサイトやSNS:
ギャラリーサイトやSNSは、最新のデザイントレンドを追うのに最適な場所です。これらのプラットフォームは、世界中のデザイナーが自身の作品を展示し、新しいアイデアやスタイルを共有する場となっています。SNSでは、特に視覚的なインパクトが強いデザインが好まれ、トレンドは迅速に広まっていきます。また、多様なデザイン手法や色使い、レイアウトの例を見ることができ、トレンド調査の幅を広げるのに役立ちます。
【その3】AppStoreやGooglePlayストア:
AppStoreやGooglePlayストアで、ランキング上位のアプリケーションを見て触ることも、トレンド調査において重要です。近年、ポスターや冊子など紙媒体のトレンドは、ITトレンドから影響を受けている事も多く、特にApple、Googleなどの海外テクノロジー企業が取り入れる新しいデザインは、広く流行のきっかけとなることが多いです。これらのアプリケーションは、洗練されたデザインと機能性の両方を提供し、新たなトレンドのヒントを与えてくれます。
◾️トレンドデザイン調査のポイント
日々デザインを目で追う癖をつける:
外出時やスキマ時間に、トレンドデザインを探す習慣を付ける。ちなみに21日間続ける(インキュベートの法則)と習慣化すると言われています。なぜ流行ってるのか「仮説」を立ててみる:
疑問に思い、調べ、考えることで、思考トレーニングになり、「仮説」の精度が上がる。トレンドをカテゴライズしてみる:
トレンドをカテゴリー別に整理することで、トレンド全体の動向を俯瞰的に把握できる。実際の案件でどのように利用できるか考えてみる:
可能であれば手を動かして形にしてみる(手書きでもOK)。
【2023年特にイイと思ったデザイン10選!】
ではここからは、2023年に収集したデザイン100点以上の中から、より印象に残ったトレンドデザイン10選をご紹介したいと思います!
※10選に優劣は設定しておりませんのでご了承ください。
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1. マイネオ旧(9)周年記念LP|mineo
![](https://assets.st-note.com/img/1704014402178-MUQ9SZdjup.jpg?width=1200)
良いと思った点:「遊び心満載!」
マイネオの9周年を記念して、「過去への感謝」をコンセプトに「mineo旧周年プレゼントキャンペーン」が開催されました。周年キャンペーンらしい感謝の気持ちを表現しつつ、レトロ感あふれるトレンドを取り入れた遊び心満載のデザイン。加えて、マイネオ会員がブログに「懐かしいもの」を投稿してキャンペーンに参加する巻き込み型の企画も、ワクワクする楽しさを与えてくれました。案件で使えそうなポイント:コンセプトの練り方。キャンペーン企画のマーケティング方法。
2. 心友ができる優しいSNS|GRAVITY
![](https://assets.st-note.com/img/1704012986902-2PdqJ1RdgF.jpg?width=1200)
良いと思った点:「これぞ没入感!」
細部までこだわりを感じるUIデザインが、全体の世界観を形作り、まるで「星の王子様」を彷彿とさせるような癒しを感じるSNS。作り手の優しさが伝わるデザインでした。
※撮影後、デザインに一部変更が加えられ、撮影時のデザインとは若干変わっているようです。案件で使えそうなポイント:コンセプトに対してのUIデザインへの落とし込み方。サービス・機能の方向性の統一性。
3. インナー広告|無印良品
![](https://assets.st-note.com/img/1704015397618-6LH06el2oO.jpg?width=1200)
良いと思った点:「引き算のデザイン!シンプルなのに伝わる温度感!」
「背景、グラデーション、キャッチコピー」の極限までシンプルなデザインながら、それぞれインナー機能として重要な温度調節能力が一瞬で伝わる素晴らしいデザインです。無印良品の店舗にあるポスターは、毎回どれも素敵なので是非チェックしてみてください!案件で使えそうなポイント:ポスター作成、バナー広告など。無駄な装飾を極限まで落とし適切に意図を伝えるデザインの参考。
4. サービスサイト|GO株式会社
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良いと思った点:「3D演出でより具体的に伝わるデザイン!」
3Dグラフィック、映像、グラスモーフィズムなどのトレンドを取り入れて、サステナビリティ活動※を具体的にイメージしやすいデザインに仕上がっています。全体的にクオリティの高いサイトだと感じました。またサービス説明資料もサイトデザインを踏襲していて素敵です!
※サステナビリティ活動:環境や経済等に配慮した活動を行うことで、社会全体を長期的に持続させていこうという活動。案件で使えそうなポイント:web全体の統一感。3Dやムービーをうまく活用してサービスストーリを伝える方法。
5. 受験生応援シリーズ第10弾 『光も影も』|カロリーメイト
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良いと思った点:「人の心に届くデザイン!」
シンプルに素敵!美術予備校時代よく食べていたことを思い出し、胸がジーンとしました。また食べたくなりました笑。それに 「光も、影も、栄養にして。」のキャッチコピーが秀逸!!構内の広告やキャンペーンなど一連のプロモーションも良い! 人の心に届くデザインを作れるって素敵ですね〜案件で使えそうなポイント:「ユーザー視点」でデザインやプロモーションを行うお手本。
6. 「リサイクルボックス」のデザインリニューアル
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良いと思った点:「捨てる人が悪いんじゃない、捨てやすいデザインが悪い!」
カンやペットボトルを集めるための「リサイクルボックス」のデザインが、10月から新しくなってました。調べると新しいリサイクルボックスは、目立つ色でゴミ箱と区別しただけでなく、投入口を下向きにすることで家庭ゴミなどを入れづらく改良されているようです。さらに、フタも斜めにすることでゴミを上にも置いていきにくくリデザインされています。張り紙などで注意喚起するのではなく、「リサイクルボックス」のデザインそのものを変える発想に感銘を受けました!
![](https://assets.st-note.com/img/1704020174545-gLMerKdaKQ.png?width=1200)
案件で使えそうなポイント:発想の転換力。サービス改善における「根本的な問題」の見つけ方や解決策。
7. イエローが登場!|iPhone
![](https://assets.st-note.com/img/1704021181064-22d5NbyZMv.jpg?width=1200)
良いと思った点:「伝えたいことはこれくらいシンプルでいい!」
潔い!広告を見た瞬間思った感想です。新色のイエロー登場という「1番伝えたいこと」にメッセージを絞り、ポップで躍動感あるイラストで新登場の期待感を表現。「伝えたいことは少ないほど伝わりやすい」という基本的だが重要な原則を教えてくれるデザインでした。案件で使えそうなポイント:「1番伝えたいこと」を見極め、絞り整理し伝えるデザイン思考。コンセプト+感情(期待感など)をビジュアルに落とし込む方法。レイアウトの参考。
8. 命懸けの行列|国連WFP協会
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良いと思った点:「一瞬でその深刻さが伝わるデザイン」
食糧を求める人々の行列。世界で一番長い行列はなんと8億人待ち、地球10周分にもなりるそうです。その深刻さが町から砂漠にまで広がる行列を用いてセンセーショナルに表現された、印象深いデザインでした。案件で使えそうなポイント:イメージし辛い現象をイメージしやすい現象に落とし込み伝えるデザインの発想法(日常的に見かける「行列」×「食糧8億人待ち」で、より具体的に想起させる)。
9. コーポレートサイト|株式会社Gaudiy
![](https://assets.st-note.com/img/1704022678063-2HvbpTRZNZ.jpg?width=1200)
良いと思った点:「一度見たら忘れないデザイン!」
「社会のバグに挑むバグ」というコンセプトを掲げ、10月に一新された株式会社Gaudiyのコーポレートサイト。トレンドのレトロ感あふれるピクセルアート風のデザインや、冒頭のコミカルな動画は、一度見たら忘れない印象深いデザインです。案件で使えそうなポイント:トレンドとコンセプトの掛け合わせ方。
10. 意外と汗かく冬のカラダに。|GREEN DA・KA・RA
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良いと思った点:「うまい!切り口がうまい!」
個人的にスポーツドリンクは「夏」のイメージでしたが、「確かに!満員電車は冬でも汗かく!」と思わず納得する広告でした。電車内で見つけた満員電車のビジュアルは、実際のシチュエーションと相まってより一層「自分ごと化」でき、効果的な広告だと感じました。案件で使えそうなポイント:掲載場所と対象視聴者を熟慮し、目指すユーザーに効果的にアプローチするプロモーション手法。
【2023年のトレンド傾向と分類】
ここからは、2023年の主要なトレンド傾向を詳細に分析し、それぞれのトレンドがどのように今のデザインに影響を与えているかを探ります。大きく以下の4つのカテゴリに分類してみました。また、それぞれのトレンドがなぜ流行っているかについても検証してみました。
1. ミニマルデザインの安定継続
トレンドの特徴:
シンプルな要素、モノクロームや限定色パレット、クリアで読みやすいタイポグラフィ、直感的で使いやすいユーザーインターフェース、機能性重視なデザインなどなど…なぜ流行っているか?:
IT企業や様々なグラフィックデザイナーやビジュアルデザイナーを通じて今も続いているデザイントレンド。シンプルで洗練されたデザインは引き続き人気を博しており、余計な装飾を排し機能に焦点を当てるスタイルが2023年も数多く見られました。
2. レトロ、ビンテージ人気継続
トレンドの特徴:
レトロスタイル、70年代レトロフラット、70年代カラー配色、90年代風イラスト&カラートーン、Y2K(2000年代初頭に流行したビジュアル)、大胆な色使い、メタリックやグリッターの効果などなど…なぜ流行っているか?:
レトロなデザインは、過去の時代への懐かしさや親しみやすさを与えてくれます。デジタル化が進む現代において、人々は過去の懐かしさや視覚的スタイルに改めて魅力を感じているように思います。特に70年代のスタイルは、はっきりとしたコントラスの特徴的なカラーパレットや独特のグラフィック要素で注目されています。さまざまな大手企業がブランディングで活用している点にも注目です。
3. テクノロジーとインタラクティブ性の統合
トレンドの特徴:
没入感のある3D世界、多彩なホバーエフェクト、洗練されたスクロールなどなど…なぜ流行っているか?:
技術の進歩により、デザイナーはよりリアルでインタラクティブな体験を提供できるようになりました。3Dデザインやホバーエフェクトは、ユーザーに没入感を与え、より魅力的なブラウジング体験を演出します。これは特にオンラインショッピングやウェブデザインにおいて重要で、ユーザーの関与と興味を引き出すために用いられる事が多いです。
4. サステイナビリティと自然への志向
トレンドの特徴:
再生可能かつ環境に優しい素材、自然を模倣したパターンや色彩、地球や生態系を象徴するイメージやアイコン、ユーザーに環境意識を啓発するデザインなどなど…なぜ流行っているか?:
環境意識の高まりと持続可能性への関心の増加により、自然やサステイナビリティがデザイントレンドとして注目されています。自然要素を取り入れたデザインや、エコロジカルなテーマは、ブランドの環境への配慮を表現し、消費者との共感を生み出す手段として使用されています。
【まとめ】
私たちの生活する現代は、さまざまな素晴らしいデザインに溢れており、それぞれに「細やかな優しさや配慮」「伝えたい思い」などメッセージが込められています。重要なのは、これらのデザインに気付き、見過ごさないことです。これからもデザインへの興味を持ち続け、素晴らしい作品から学び、センスを育てていきたいと思います。
皆さんの周りには、どんな素敵なデザインがあるでしょうか?
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考文献一覧: