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行き先のわからない旅行記 (あとがき)
「有料の記事」というのに慣れていないので思いつかなかったんですが、知人から「やってみては」という提案を頂いたので「どんなもんかな…」くらいのテンションで、番外編を書いてみようと思います。(3100文字くらいです)
まぁ、今回の旅行記の中で「流れを重視してカットしてしまったエピソード」とか、僕が旅行中にどんな事を考えて歩いてるか…とか、そういう内容なので、もし「投げ銭してもいいかな」ってくらいに思
行き先のわからない旅行記 8(最終回)
ラジオの収録さえできればあと2日ほど延長することができるこの旅行。僕は、神戸に住んでいる友人に連絡を取ることにした。出先でラジオを録ることを想定せずに旅に出てしまったので、パソコンに音声を取り込むための装置を借りるためだ。
宮崎空港から神戸空港への空の便は無いので、大阪の伊丹空港へと飛ぶことにした。数日前に「トランプ大統領をはじめたくさんの外国要人が来てるから、大阪には行かないほうが良いな」と思
行き先のわからない旅行記 (7)
熊本から八代(やつしろ)へ。新八代駅で高速バスに乗り、宮崎へと向かう。この旅では初めてとなる、高速バスだ。景色がたいして変わらず、退屈だった。
そうそう。
このバスに乗ってる時に「都城市(みやこのじょうし)」を通った。以前その近くにある「曽於市(そおし)」までは行ったことがあるが、都城市は未踏である。そんな都城市の話を。
今でこそふるさと納税の返礼品には規制が掛かったそうだが、2016年
行き先のわからない旅行記 (6)
初めて家に遊びに来てくれた人には「ご地元はどこですか」と聞くことにしている。47都道府県全てに行っているからこそ(海外生まれは別として)、だいたいの人に対して「以前お伺いしましたよ」と返すことができるからだ。食事によるもてなし以上に、喜んでくださる。旅行が好きなのは「これから出会うたくさんの人たちにとっての大切な場所を、先に知っておきたいから」という気持ちが大きいのだ。
雲仙岳を眺めながらフェリ
行き先のわからない旅行記 (5)
例えば「一番好きな都道府県はどこですか?」と聞かれても、「もちろん◯◯県です!」などとは言わない。ゆっくりと、慎重そうに、「どの都道府県も… それぞれ良いところがあり… 選び難く…」と返すと決めている。これは「ローマの休日ごっこ」という自分なりの一種のギャグ。どこにも角を立たせてはいけない立場であるアン王女の、新聞記者からの質問への返しを参考にしているわけだ。
しかし、もし「一番好きな餃子は」と
行き先のわからない旅行記 (4)
なんとなく佐賀駅に向かおうと、新鳥栖(しんとす)駅で新幹線を降りたところ、今流行りの「駅ピアノ」が設置してあった。駅ピアノを見かける度に「ピアノが身近になったなぁ」と感じる。
インターネットの普及のおかげで”生活が変わった”。注文すれば翌日に商品が届くとか、テレビ通話で会議ができるようになったとか、劇的に変わった事は説明しやすい。けど、実はもっと(ちょっと説明しにくいような)心情的な部分もインタ
行き先のわからない旅行記 (3)
「この活動を続けるのなら、東京に出よう」と決めた僕は、とある会社で歌手のマネージャーを始めた。が、簡単に言うと、ブラック企業だった。「会社の近くに社宅を借りてくれる」という条件だったはずなのに、用意された家は中央林間。「神奈川じゃねぇか!」というツッコミもできず、「終電がありますので…」と帰ろうとすると舌打ちされるような、色々壊れている会社だった。(その後めでたく潰れたらしい)
「ここに居た
行き先のわからない旅行記 (2)
「このあと、行き先が決まってないんです。どこに行ったらいいでしょうか。」
少し驚いたマダム3人は、僕が東京から来たことを確認すると「あっちがいい、こっちがいい」といろいろ協議をしてくれて、最終的に「津和野(つわの)が良いと思う」と結論づけてくれた。
コーヒーを飲もうと入った不思議な喫茶店。見た目は田舎の美容室だが、奥にはロの字型でテーブルが置かれ、さらにカラオケの機械が入っている。壁には隙間な
行き先のわからない旅行記 (1)
去年の今頃、またしても発症した。
朝起きた瞬間に、感覚で気づく。「”今夜”というかならず来る近い未来。しかしその自分がどこに居るのかまだ決まっていない。」という遊びをしたいんだ、今日は、と。
数年に一度、そんな波に寝起きを襲われる。
トランクにとりあえずの荷物を詰めて、羽田空港へ向かう。「どこにいくかも分からない」状態で空港に向かうこの気持ちも、楽しみの一つなのだ。そして、空港に着いたらすぐ