詩「朝の料理人」
「朝の料理人」
心地よい眠りからの急浮上。
“親切”なノックに急かされて
ベッドから零れ落ちたその先に、
小さな青いカップと銀スプーン。
カップを覗いたその瞬間、
私は朝の料理人。
ブルー アンド ホワイト。
プレーンな酸味で仕込みは上々。
フルーツ シリアル シナモン
ナッツ シロップ ハチミツ。
配合率は天のひらめき。
銀のスプーンがきらりと光り、
私は朝の料理人。
料理人の天才的な配合に、
舌の上はどんちゃん騒ぎ。
ミルクの香りが恋しくて、
名残惜しげにカップを覗く。
擦れ違いざまにシナモンの香り。
駆け足で通り過ぎる朝を
名残惜しく感じる一瞬。
また、明日、ね。