ミスサイゴン_

『ミス・サイゴン2020』を見る前に、知っておきたいベトナム①


~ベトナム基礎情報・地理編~

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こんにちは。
突然ですが、皆さんは『ミス・サイゴン』というミュージカルをご存じですか?
1989年にロンドンで初演された、ベトナム戦争を題材にした悲劇系ミュージカルです。

初めて『ミス・サイゴン』を見た時、凄く感動したのですが、ベトナム戦争やベトナムの歴史を知らなかったため、ストーリーについていけなかった部分がたくさんありました。


そこで、今年の5月に上演される『ミス・サイゴン 2020』を観る前に、
『知っておくと観劇がより楽しめるベトナムの歴史』
について勝手に勉強し、数回にわたって勝手にシェアしていきたいと思います。
(今回は心理学とは全く関係ありません)

『ミス・サイゴン』を深く楽しみたいと思っている方、一緒に学びを楽しみましょう。

※ほぼネタバレなし(あらすじ程度の内容)ですが、ネタバレに敏感な方はお控え下さい。


『ミス・サイゴン』ストーリー(公式HPより)


1970年代のベトナム戦争末期、戦災孤児だが清らかな心を持つ少女キムは陥落直前のサイゴン(現在のホー・チ・ミン市)でフランス系ベトナム人のエンジニアが経営するキャバレーで、アメリカ兵クリスと出会い、恋に落ちる。 お互いに永遠の愛を誓いながらも、サイゴン陥落の混乱の中、アメリカ兵救出のヘリコプターの轟音は無情にも二人を引き裂いていく。

クリスはアメリカに帰国した後、エレンと結婚するが、キムを想い悪夢にうなされる日々が続いていた。一方、エンジニアと共に国境を越えてバンコクに逃れたキムはクリスとの間に生まれた息子タムを育てながら、いつの日かクリスが迎えに来てくれることを信じ、懸命に生きていた。 そんな中、戦友ジョンからタムの存在を知らされたクリスは、エレンと共にバンコクに向かう。

クリスが迎えに来てくれた−−−心弾ませホテルに向かったキムだったが、そこでエレンと出会ってしまう。クリスに妻が存在することを知ったキムと、キムの突然の来訪に困惑するエレン、二人の心は千々に乱れる。したたかに“アメリカン・ドリーム”を追い求めるエンジニアに運命の糸を操られ、彼らの想いは複雑に交錯する。そしてキムは、愛するタムのために、ある決意を固めるのだった−−−。


ベトナムはどこにある?


ベトナムは、日本から飛行機で約6時間。
タイやカンボジアと隣接する東南アジアの海沿いの国です。

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地図で見ると、縦に非常~に細長い形をしています。

赤道に近く、一年を通した平均気温は、28度程度。
雨季と乾季がある熱帯気候。

以前雨季に旅行に行ったとき、バケツをひっくり返したような雨がたびたび降り、ずぶ濡れになりました。
日差しも強いし、とにかく暑かった!

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『ミス・サイゴン』は1975年4月29日~30日におきた出来事を軸にストーリーが展開しますが、
ベトナムの4月の最高気温は、35度!!

あつぅ~( ゚Д゚)
雨季前の一番暑い時期で、湿度も高くじとじとしているようです。

イライラしてしまいそうな蒸し暑さの中、あの物語がスタートしていると考えると、生々しさが増しますね…。


サイゴンはどこにある?


『サイゴン』とはベトナム南部の都市の名前です。
ベトナム戦争時代は、南ベトナム軍の軍事拠点が置かれていました。
『ミス・サイゴン』の物語の軸となる都市です。

しかし、南ベトナム軍が敗北した翌日の5月1日に『ホーチミン市』という名前に改名されたので、今は存在しません。

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現在のホーチミン市は、バイクだらけの熱気にあふれた都市でした!
 ぼったくり屋も多く、私もあれよあれよという間に、通常の4倍の値段のココナツジュースを買わされました…。


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とにかく右も左もバイク・バイク・バイク…×100!




『ホーチミン市』のホー・チ・ミンって?


ホー・チ・ミンとは、当時の北ベトナム側の指導者の名前です。

当時のベトナムは、北と南に分かれて戦争をしていました。そして、南ベトナム側は、アメリカの軍事的な支援を受けていました。

『ミス・サイゴン』の主人公の《クリス》は、アメリカ人。アメリカからベトナムに派遣されてきたアメリカ軍の兵士です。

『ミス・サイゴン』は、かなり南ベトナム側(アメリカ側?)に気持ちが偏って描かれているので、ホー・チ・ミンが超悪役風(w)に描かれていますが、
ベトナム人にとってホー・チ・ミンは、国民の父という位置づけで、ベトナムに旅行に行くといたるところにホー・チ・ミンの像があったり、絵画として描かれていたりして、人々から愛されているのを感じます。

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優しい顔で書かれてますよね~。
『ミス・サイゴン』だと、めっちゃ怖い感じです!w

文脈が違うと、同じ人でもこうも違って描かれるのですね…!
文脈…って、ちゃんと色々と理解して読まないと恐ろしいですね( ゚Д゚)



アメリカ大使館はどこにあるのか


主人公の《クリス》は、南ベトナムに派遣されていた、アメリカ兵。 その中でも『アメリカ大使の運転手』というポジションだったようです。

当時のアメリカ大使館(現アメリカ領事館)がどこにあるかと言うと…

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ホーチミン市の中心街にありました。

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実際に行ってみましたが、建物を囲う塀は高く、鉄の返しがついていました。
また塀には、言葉がわからないので詳細は分かりませんが、アーティストさんの写真が飾られていました。



また、当時の南ベトナムの大統領官邸はどこかと言うと…、

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ここです。

アメリカ大使館からも近く、歩いて行ける距離でした!

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この、現在は『統一会堂』と言われている、『南ベトナム大統領官邸』を北ベトナム軍が占領したのが、1975年4月30日。

それをきっかけに、南ベトナム(アメリカ)が敗北する形でベトナム戦争が終わりました。


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これは、建物に侵入する北ベトナム軍の戦車の写真です。


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当時の南ベトナム大統領は、このヘリポートから脱出したようです。



当時、ベトナムにいたアメリカ兵達はベトナムから撤退するために、この4月29日~30日に『フリークエント・ウィンド作戦』というものを実行し、ベトナムからの撤退を図ったそうです。

『フリークエント・ウィンド作戦』とは、ヘリコプターを往復させて、それに乗ってベトナムから撤退するという作戦。

なんちゅう作戦なの( ゚Д゚)
ヘリコプターって、一回に人、そんなに乗れないよね!?
そんな方法しか無い感じだったのですね…。

負け感が半端ないです。



そして先程お見せした、アメリカ大使館などから離陸し、たくさんの人が撤退しました。

ヘリコプターに乗って逃げたのは、アメリカ人だけではなく、アメリカを支援していた一部の南ベトナム人も含まれていたようです。 

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この写真は、アメリカ大使館からアメリカ兵士が逃げる写真、だと思います。下の建物がそうなので。
当時の雰囲気が伝わってきますよね。

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これは、アメリカ兵達が少しでも体重を軽くする為に脱ぎ捨てていった靴の写真。

(確かそういう説明が書かれていたと思います。違っていたらすみません。)

『ミス・サイゴン』は、この1975年4月29日~30日の混乱が見せ場。
歴史をひも解いても、この日は相当な混乱の日だったのだと思います。



まとめ


いかがでしたか?
地理や建物、気候などを調べるだけでも、色々な背景が見えてくるなーと思いました。調べていて楽しかったです。

皆さんがストーリーをより楽しむきっかけになったら嬉しいです。
『ミス・サイゴン』、一緒に楽しみましょう。


※もし内容が違う物などありましたら、ご指摘下さい。


第二弾はこちら↓↓↓



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