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好きな人が死んだ

私の好きな人が死んだ。私の中で死んだ。
どんな環境におかれていても、どんなに傷ついても彼のことが好きで彼に会いたかった。でも、彼は違う。全くと言っていいほど私には興味がなくて自分のために私をそばに置いてる感じ。まあそもそも付き合ってない曖昧な関係だし、そうなっても当たり前なのかもしれないけれど、たまにかかってくる電話が私たちをつなぎとめてくれていた。電話の内容はあの頃と明らかに変わっていなくて子供のままだなとおもった。なんだか嬉しくて愛おしくて、切なかった。

彼に会うために赤いニットを買った。なのになぜか彼は来なくて、私が彼に会うために準備してきたもの可愛くなろうとした努力を彼は知らない。虚しい。勝手に私が頑張っただけってことを彼は行動で教えてくれる。彼好みの女性っていうものがどんなのか全く分からないのに勝手に想像して自分なりの彼好みになってみた。それなのにもう彼は来ない。死んじゃったんだ。

あんなに読んでくれた名前も、あんなに伝えてくれた「会いたい」も全部嘘だったのかな。それともそのときはほんとに思っててくれたのか。彼の気まぐれに何度振り回されただろう。いつも何考えてんのか分かんなくて地雷を踏むギリギリまで攻めてみたり、嫌われないように全部を受け入れてみたり。私ってわがままだなーって結構思ってたけど彼の方がよっぽどわがままだ。私なら何しても許してくれると思ってるんだ。舐められたもんだなー私も。

彼から連絡が来なくなった日を境に、秋が始まった。私と彼の関係は5年前から止まったままなのに季節は巡る。どんどん追い越されてこの季節に彼との思い出ができないと分かった時そばに居るべきじゃないなと思った。こんなに好きで好きでたまらないのに、彼は私が邪魔なんだ。彼と居たらだんだん胸にぽっかり穴が空いてくる。こんなに彼を思ってる私と、自分のことだけを思ってる彼。どう考えても私が幸せになれる訳ない。ある意味私も自分のことしか考えられていないのだろう。

いつかまた彼から連絡が来た時返信しちゃう私へ
好きなら好きなままでいーよ。辛くても傷ついてもいつか彼のことより自分のことのほうが大切だと気づくから。今はそのままでたくさん彼のことを思ってあげて。そして素敵な女性になって彼を見返して。あなたが思ってる以上にあなたは綺麗。いつだって心を穏やかに平和を願って戦争を嫌って飛べるような軽やかさでもっとちがう誰かと幸せになれますように。

これを見て彼は何を思うかな

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